京都ハンナリーズ

点の取り合いで最後まで引かず、開幕6連勝

10月19日、京都ハンナリーズが敵地に乗り込んでアルバルク東京と対戦。ともに外角シュートが好調で試合序盤から壮絶な点の取り合いとなったが、最後までシュートの精度が落ちなかった京都が100-93で競り勝ち、開幕6連勝を飾っている。

第1クォーター、3ポイントシュートがA東京は4本中4本成功、京都は8本中6本成功とともに長距離砲が炸裂する点の取り合いでスタート。この流れはその後も変わらず、第3クォーターを終えた時点で京都の78-75とハイスコアリングゲームの接戦が続く。

しかし第4クォーターに入ると、A東京がゴール下でのシュートで決めきれなかったり、ミスが出て得点のペースを落とす中、京都はこの試合37得点のデイヴィッド・サイモンがインサイドで確実に加点。残り5分で9点のリードを奪うと、27得点15アシスト8リバウンドと攻守で躍動したマブンガを中心としたゲームをコントロールし、そのまま逃げ切った。

京都の浜口炎ヘッドコーチは、「A東京さんのプレッシャーディフェンスに対してターンオーバーを少なくし、ワイドオープンのシュートに繋げることをメインに戦いました。14本ターンオーバーが出てしまいましたが、インサイドアウトでうまくボールを散らしながら得点することができました」と試合を総括する。

京都ハンナリーズ

復活の松井啓十郎「みんなで意思統一してできた」

実際、京都はサイモンがゴール下に加え、3ポイントシュート9本中7本成功の26得点を挙げた松井啓十郎を筆頭に、チーム全体でも3ポイントシュートを23本中14本成功と高確率で沈めた。A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィィッチが「厳しい内容でした。最初から最後まで40分間、京都がペースを握っていた」と脱帽したように、故障者続出で8人でローテーションする苦しさがあったとは言えリーグ随一の堅守を打ち崩したのだ。

勝利の立役者となった松井は、勝因をこう語る。「第1クォーター、第2クォーターとA東京は、それこそ出てくる選手がみんな3ポイントシュートを決めてきたので、『どんだけ入るの!?』と思っていました。そこで我慢して、第4クォーターに7点差、8点差と引き離した時、ここで集中しようと3ポイントシュートをやらせないことを意識して、みんなで意思統一してできたのが良かったです」

そして、自身の3ポイントシュート爆発については「いつもやるべきことは一緒で、空いたら打つだけです。今日は1本目をドンピシャのタイミングで綺麗に打てたことで、40分間を通して積極的に打てました」と続ける。

これで松井はここ4試合で3度目の20点超えをマーク。まだ6試合を終えたばかりではあるが、1試合平均17.3得点、3ポイントシュート46本中23本成功と50%の高確率で決めている。シーホース三河に所属した昨シーズンはベンチに座る時間が長かったことを忘れる大暴れで、京都の開幕ダッシュの原動力となっている。

松井啓十郎

「2人より、3人マークするほうが相手は苦しい」

「加入したばかりで、ここまで点を取れるとは思っていなかったです。ただ、ジュリアンもサイモンも絶対にオープンになるからとよく言ってくれていて、それが現実となっています」

このように好成績の理由をあげる松井だが、それと同時に「オープンでスリーを打たせてもらえれば40%は決める自信はあります」とシューターとしての矜持を見せる。浜口HCも「KJ(松井)は、しっかり本数を打てれば40%は決めてくれる選手です」と厚い信頼を寄せる。

昨年の京都はマブンガ、サイモンの強力デュオが攻撃の大黒柱だったが、今はここに松井が加わるビッグスリーとなっている。「自分が外のシュートを入れることで、マブンガ、サイモンの負担を軽くすることができます。2人より、3人マークするほうが相手は苦しい」と松井が語るように、アウトサイドに強力な武器があることで、チーム全体のオフェンスにも大きな相乗効果を生む。開幕6試合のうち、5試合で89点以上と高得点をあげている爆発力はフロックではない。

明日も勝って敵地で王者相手に同一カード連勝を達成できたら、それは京都にとって何よりも大きな追い風となる。そのためには、「相手も明日は絶対に対策してきますが、自分たちもアジャストして良い形で打っていきたい」と語る松井の3ポイントシュートが大事なポイントとなってくる。

10月19日のB1 9試合の結果
宇都宮92-86三河
A東京93-100京都
横浜64-74島根
千葉73-83川崎
富山76-81大阪
三遠72-87SR渋谷
新潟78-68北海道
滋賀83-67名古屋D
琉球 – 秋田