遠藤祐亮

新たな川崎に困惑「思いきりの良さも全然違っていた」

川崎ブレイブサンダースとの先出し開幕戦に臨んだ宇都宮ブレックスは、57-78と大差で敗れた

遠藤祐亮は「自分たちのやりたいことが一つも出せなかった試合だった」と振り返った。

「ディフェンスもまったく激しさがなかったし、川崎のほうが激しかった。今年からスペーシングを意識しているけど、今日はその展開も全く出せなかった」

川崎は大型補強を敢行し、新たに外国籍選手を入れ替え、昨シーズンとは別のチームとなっていた。激しいディフェンスこそ宇都宮の真骨頂だが、その強みの部分で相手を下回り、もう一つの武器であるリバウンドでも川崎に上回られた。生まれ変わった川崎の強さを遠藤はこう説明する。

「思いきりの良さも全然違っていたし、ディフェンスの激しさも違っていた。インサイド陣がトランジションで走ってきて、4、5本はイージーなシュートをやられてしまった。そういう点が昨シーズンの川崎にはなくて、今年はある。準備はしていたんですけど、やられてしまいました」

宇都宮のディフェンスが機能していなかったわけではない。川崎から19ものターンオーバーを誘発している。それでも、リバウンドやトランジション、そしてディフェンスの激しさなど、上乗せされた新たな力に屈したのだ。

遠藤祐亮

メンバーが変わらない強み「下を向く必要は全くない」

大差がついた要因はいくつか挙げられるが、そのうちの一つに低調だった3ポイントシュートがある。宇都宮の3ポイントシュート成功率はわずか14.8%(27本中4本)に終わった。昨シーズン、リーグ2位の3ポイントシュート成功率(45%)を記録した遠藤は6本打って成功なしと絶不調だった。

「ここまで大差がつくような相手だとは思っていない」はずなのに、不甲斐ないパフォーマンスを見せ、「正直、今は食らっている」と、敗戦のダメージを引きずる場面もあった。

シュートは水物であり、いくらプロと言えど入らない時はとことん入らないもの。そんな時こそ、シュート以外の部分でチームに貢献することが求められるが、それができなかったことに負い目を感じている。

「個人的にシュートが入らない時にどうすればいいかというのが、昨シーズンも課題でした。それが出せずに試合が終わって、自分たちのダメな時が出て負けてしまった」

厳しい結果に終わったが、いつまでも落ち込んではいられない。日曜日には川崎との第2戦が待ち受けており、遠藤は「ここから登りつめていく」と前を向く。

「始まったばかりだし、切り替えることもこれから経験していかないといけない。昨シーズンからメンバーが代わっていない分、切り替えもしっかりできるチームだし、下を向く必要は全くないと思う。20点差で負けましたけど、それをひっくり返すようなゲームをしたい」

指揮官の安齋竜三は試合後の会見で「今日の試合が一番底辺だと思って、1試合1試合頑張っていきたい」と、締めた。リベンジを誓った遠藤が、わずか2得点に終わった今回の試合を一番底辺だったと笑って話す日は近いはずだ。