ドンチッチの助言が後押し、2年1100万ドルの契約へ
マーカス・スマートはルーキーイヤーからセルティックスで過ごした9シーズンすべてでプレーオフ進出を果たした。しかし、2023年のオフにトレードでグリズリーズに放出され、昨シーズン途中にはウィザーズにトレードされた。
チームの精神的支柱だったスマートの放出は予想外で、彼自身もショックを受けたというが、「怒りも不満もない。素晴らしい機会を与えてくれたセルティックスには愛情しかない」と語り、チームを去った。
直近の2年はモチベーションを保つのが難しかったはずで、ケガでプレーする機会も限られた。ウィザーズではチームに加入した時点で、「若手の出場機会を優先するからプレータイムが減ったり、プレーしないこともある」と通達されたが、その方針も受け入れて再建チームの指南役に徹した。
まだ31歳のスマートが、役割の限られた再建チームで全盛期を過ごすのは惜しい。彼自身はウィザーズでの境遇について「自分にコントロールできないことは考えない。大好きなバスケで稼ぎ、家族を養えていることに感謝すべきだ」と不満を漏らしはしなかった。
しかし、周囲は彼を放っておかない。今回レイカーズは、ルカ・ドンチッチの助言を受けて動いたとされる。スマートはウィザーズとの契約をバイアウトし、ウェーバー期間明けにレイカーズと2年1100万ドル(約17億円)の契約を結ぶと『ESPN』が報じている。
ドンチッチとオースティン・リーブスのバックコートは得点力には優れていてもディフェンスに課題がある。スマートは第3のガードとしてディフェンスの激しさとバスケIQをレイカーズにもたらすことができ、ドリアン・フィニー・スミスの退団もあり、ウイングディフェンダーとしての起用も考えられる。
過去2年はプレーオフから遠ざかり、出場機会も減ってキャリアのピークを過ぎたように見られていたスマートだが、無理をする必要のなかったこの時期にケガを治し、戦う身体を作り直したとも言える。彼のディフェンスとリーダーシップは間違いなく貴重なもので、レイカーズには最高の補強となるはずだ。