ラッセル・ウェストブルック

写真=Getty Images

ウェストブルックの罰金と同額の寄付を呼びかける

3月11日、ソルトレイクシティのヴィヴィントスマート・ホームアリーナで行われたサンダーvsジャズの一戦で、あるジャズファンがサンダーのラッセル・ウェストブルックに差別的発言をしたとして、ジャズはこの男性ファンに、ホームアリーナで今後開催されるいかなるイベントにも参加を認めない永久追放処分を科した。

この問題に対しての反響は大きく、たった一人の愚行により、ユタ、そしてジャズファンの心象も悪化。この事態を改善させるため、あるファンが立ち上がった。デビン・ディートンというジャズファンが、クラウドファンディング『GoFundMe』で、セクシャルマイノリティを支える活動を行っている非営利団体『Human Rights Campaign』への寄付金調達キャンペーンを立ち上げたのだ。

ディートン氏が目標に定めた金額は、2万5000ドル(約279万円)。これは、NBAがファンへ不適切な発言をしたとしてウェストブルックに科した罰金と同額の数字だ。

生粋のジャズファンというディートン氏は、今回のキャンペーンの説明文に、次の一文を加えた。

「先日、ラッセル・ウェストブルックと、風上にも置けないジャズファンのやり取りに対する反響があったことを受け、我々の本当の姿を見せるため、真のジャズファン、誠実で心優しいジャズファンに協力をお願いしたい」

「みんなで、ラッセル・ウェストブルックに科された罰金と同じ2万5000ドルを集めて、そのお金を『Human Rights Campaign』に寄付しよう」

「ジャズファンは偏見を持っていない。ジャズファンは人種差別主義者ではない。ジャズファンはユタ・ジャズに忠誠を誓っている」

「ユタ市民、ジャズファン、ユタをホームと呼ぶ人々に対する評価を変える時だ。我々は偏見を持つ保守派ではない。人種差別主義者でもない。我々の大半は父であり、母であり、友であり、ハードワーカーであり、優しい心を持つ者たちばかり。お互いのために正しい行いをし、互いを助け合い、良き隣人として全員を受け入れている」

「私は生粋のジャズファン。私が5歳の頃から家族はシーズンチケットホルダーで、これまでに100試合以上を観戦している。これまでにも、チャールズ・バークリーが現役だった時代から、ラッセル・ウェストブルックがプレーする現代まで、各時代の選手たちに悪意のない冗談を言い続けてきた。私個人は、過去に人種差別、敵対感情を受けた経験が一度もない。私は、選手に尊敬の気持ちを示すことを誇りに思っている。全米のメディアのみなさんに、我々の本当の姿を見てもらいたい」

現在までに1万3000ドル(約145万円)を超える金額が集まっている。このキャンペーンだけで全て丸くおさまることはないにしても、ジャズファンの矜持が感じられる行動ではある。