福岡第一

取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎

「新チームで後輩たちが第一高校の連覇を目指します」

2月9日、昨年末のウインターカップを制した福岡第一高校の全国制覇祝勝会が行われた。冒頭でチームを代表して、キャプテンを務めた松崎裕樹が「今回の優勝はたくさんのご協力、ご支援の下でできたものです」と挨拶。「今年で自分たちは卒業しますが、新チームで後輩たちが第一高校の連覇を目指して、またイチから井手口先生と頑張っていくと思います。今年も応援のほど、よろしくお願いいたします」

400人のゲストを集めた祝勝会は和やかなムードで進む。選手たちも学校の体育館でバスケに取り組む真剣な表情とは打って変わって、10代の若者らしい笑顔を見せた。前週の新人戦決勝ではライバルの福岡大学附属大濠に4点差勝利。「先週負けてたらキャンセルするところでした」と井手口監督はジョークを言いながら、「子供たちの楽しそうな姿を見ることができて良かった。あまり固くならないようにという校長のアイデアです」と話す。それでも祝勝会に付き物のアルコールはなし。「ちょっと勝ったからってどんちゃん騒ぎするわけではないので」とのこと。

『祝勝会』と題してはいるが、バスケットボール部の活動を支える人たちへの感謝を目的とした会。今回、井手口孝監督は、福岡第一の選手たちをミニバスや中学校時代に指導した先生たちを招待。小中学校時代に選手を育てた指導者にとっても、教え子の全国制覇を一緒に祝う場になった。井手口監督も「僕のバスケットの先生で、嫁の担任だったのが原田先生。僕らの仲人です。僕がバスケットボールで先生と呼べるのは原田先生しかいません」と語る西福岡中学での恩師、原田耕吉先生(故人)の奥様を招待して感謝の意を示している。

福岡第一

新キャプテンは河村勇輝&小川麻斗の2人体制

それでも、笑って楽しめるのは一夜だけ。新チームは全国連覇に向け動き始めている。ウインターカップ制覇のチームで先発を務めた5人のうち、松崎と古橋正義は卒業するが、3人はそのまま3年生となる。新キャプテンは河村勇輝と小川麻斗の2人体制。「2人で決めろと言ったら両方になっちゃった」と井手口監督は笑う。「多分、河村はやりたくなくて、小川が仕方ないからやろうと。しゃべるのは河村、チームのためにいろいろやるのが小川になると思いますが、2人キャプテンになります」

新チームの目標は3年ぶりの2冠、ウインターカップの連覇……と言いたいところだが、井手口監督は「まずは福岡県で勝つこと。1枠だから負けないことです」と言い切った。「今年は今年のチームになるので、味のあるバスケットをしたいと思います」