試合を支配したジャワッド・ウィリアムズ
1月27日、アルバルク東京がホームで大阪エヴェッサと対戦。31得点を挙げたジャワッド・ウィリアムズを中心にチーム全体で3ポイントシュートを20本中10本成功と高確率で沈めるなど、効果的なオフェンスを展開し83-72で前日に続いて勝利を収めた。
第1クォーター、A東京は持ち味である強度の高いディフェンスで大阪のインサイドアタックを封じ込める一方、自分たちはアレックス・カークが6得点などゴール下からも加点し主導権を握る。それでも第2クォーターに入ると、大阪はジョシュ・ハレルソンの奮闘などでゴール下の攻防で盛り返し、前半はA東京の4点リードと互角の展開で試合を折り返す。
第3クォーターも取られたら取り返す展開が続き、残り約2分半でA東京の46-45と差が付かなかったが、ここでA東京はウィリアムズが、ともに馬場雄大のアシストからの連続3ポイントシュート成功で均衡を崩すと、9点のリードを奪って最終クォーターへ。
大阪もこの試合で22得点を挙げた熊谷尚也の奮闘で食い下がるが、さきほどの3ポイントシュート成功で完全にゾーンに入ったウィリアムズの勢いが止まらない。引き続き外から決めるだけでなく、ゴール下にも切れ込んでシュートをねじ込むなど試合を支配し、このクォーターだけで13得点をマーク。A東京が、後半に地力の違いを見せて連勝を飾った。
堅実なパヴィチェヴィッチ「ワイルドカードを考える」
A東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチはハレルソン、トレバー・ムバクウェと2人の外国籍を抑えたことをまず勝因に挙げる。「ハレルソンは外からのシュート力があるセンターで、新外国籍のムバクウェ選手が攻守で激しいプレーができます」と評する2人に前日は合計で49得点を取られたが、「今日の鍵はディフェンスでいかにハミルトンのピック&ポップ、ムバクウェのピック&ロールを抑えられるか」と振り返るように、この試合では2人を13点に抑えた。
さらに体調不良で竹内譲次が欠場したこともあり、36分とこれまでにないプレータイムで31得点と期待に応えたウィリアムズを次のように称えている。「彼は名門ノースカロライナ大学出身、ヨーロッパでも活躍して優勝経験のある選手です。彼の活躍には誰も驚かないと思います」
A東京は今節の連勝で23勝12敗と貯金を2桁に乗せたが、パヴィチェヴィッチは「現実的に言って栃木、千葉に追い付くことではなく、富山、三河、京都とのワイルドカードの順位を考えるのが先」と言う。足元をしっかり見つめてチーム力を高めていく。チームスタイルと同じく堅実な歩みで、シーズン終盤に向けて力を高めていくことこそが重要と強調した。
新外国籍選手の順応とルーキーの活躍、敗戦にも収穫
大阪の穂坂健祐ヘッドコーチは「前半は良い戦いができましたが、後半、自分たちが受け身になってしまって一気にアルバルクさんの流れに持っていかれてしまったのが課題です。40分間、自分たちがやらなければいけないことをオフェンス、ディフェンスでしっかり遂行し続ける。相手が勢いに乗った時があっても、それをしっかり断ち切れるようにならないといけないです」と前日に続き、後半に失速しての敗戦を総括する。
ただ、「負けた中にも収穫はありました」と続ける。「ケガ人に悩まれている中、ルーキーの長野(誠史)選手が9点4アシストとしっかりプレーできることを証明してくれました。また、トレバー(ムバクウェ)、ジョシュ(ハレルソン)選手が2人合わせて13得点に終わった中、日本人選手がしっかりステップアップして点を取ってくれました」
そして、12月下旬に加入したばかりのムバクウェに関しては、次のような効果を見込んでいる。「サイズはないかもしれないですが、走れる選手で課題のトランジションオフェンスの改善に繋がります。自分たちがやろうとしているピック&ロールのオフェンスに合っているという判断です。ヨーロッパの経験も長くクレバーです」。借金を減らしてワイルドカード争いに食い込むには、故障者の復帰とともにムバクウェをいかに早くチームにフィットさせるかも大事となる。