3ポイントシュートを打つチームは2点が少ないのか? 数字とともにチェック
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
今回は、3ポイントシュートを積極的に狙うチームが分かる『3ポイントアテンプトパーセンテージ(3PA%)』というスタッツをご紹介。このスタッツは、チーム全体のシュート本数(フリースローになったシュートを含む)のうち、3ポイントシュートを打った本数の割合を指します。
計算式はこちら
『3PA%』を求める際にフリースローを獲得したシュート(ファウルを誘ったシュート)を含む理由を説明する。フリースローはシュート本数に含まれないため、シュート本数だけで計算すると3ポイントシュートの割合が大きくなってしまう(仮に2ポイントシュートがファウルを受けてすべてフリースローになった試合の場合、3PA%が100%になるため)。そのため、フリースローを獲得したシュートを含んでいる。
そして、この計算式を応用すると『2PA%』や、『フリースローポゼッション割合(FTD%)』も以下のように求めることができる。
前置きが長くなってしまったが、『3PA%』、『2PA%』、『FTD%』のランキングを使ってチームの戦略を見ていこう。
(第22節終了時点)
順位 | チーム | 3PA% | チーム | 2PA% | チーム | FTD% |
1位 | 千葉J | 42.05% | A東京 | 59.74% | 琉球 | 11.36% |
2位 | 信州 | 41.34% | 群馬 | 59.16% | 富山 | 11.36% |
3位 | 川崎 | 39.33% | 大阪 | 57.15% | 広島 | 11.29% |
4位 | 島根 | 38.46% | 三遠 | 56.52% | 群馬 | 11.28% |
5位 | 新潟 | 37.30% | 北海道 | 56.44% | SR渋谷 | 11.21% |
6位 | 京都 | 35.98% | 富山 | 56.12% | 北海道 | 11.21% |
7位 | 名古屋D | 35.86% | 滋賀 | 56.05% | 千葉J | 11.09% |
8位 | FE名古屋 | 35.57% | 秋田 | 55.97% | A東京 | 11.05% |
9位 | 仙台 | 35.46% | 宇都宮 | 55.93% | FE名古屋 | 11.01% |
10位 | 滋賀 | 35.42% | 三河 | 55.87% | 大阪 | 10.68% |
11位 | 広島 | 35.39% | 横浜BC | 55.79% | 横浜BC | 10.21% |
12位 | 茨城 | 35.13% | 京都 | 55.51% | 川崎 | 10.17% |
13位 | SR渋谷 | 35.05% | 茨城 | 54.91% | 島根 | 10.02% |
14位 | 秋田 | 34.88% | 琉球 | 54.55% | 仙台 | 10.01% |
15位 | 宇都宮 | 34.59% | 仙台 | 54.53% | 名古屋D | 9.98% |
16位 | 三遠 | 34.29% | 新潟 | 54.26% | 信州 | 9.96% |
17位 | 三河 | 34.28% | 名古屋D | 54.16% | 茨城 | 9.95% |
18位 | 琉球 | 34.08% | SR渋谷 | 53.73% | 三河 | 9.85% |
19位 | 横浜BC | 34.00% | FE名古屋 | 53.42% | 宇都宮 | 9.48% |
20位 | 富山 | 32.53% | 広島 | 53.32% | 三遠 | 9.19% |
21位 | 北海道 | 32.36% | 島根 | 51.52% | 秋田 | 9.15% |
22位 | 大阪 | 32.18% | 川崎 | 50.51% | 滋賀 | 8.53% |
23位 | 群馬 | 29.56% | 信州 | 48.69% | 京都 | 8.51% |
24位 | A東京 | 29.21% | 千葉J | 46.86% | 新潟 | 8.44% |
平均 | 35.18% | 54.61% | 10.21% |
『3PA%』が高いチームは必然的に『2PA%』が低くなっているが、いくつか気になるチームをピックアップしていこう。
インサイドのイメージが強い琉球ゴールデンキングスは、『2PA%』単体で見ると14位と低いため、2ポイントシュートが少ないチームだと考えてしまうだろう。しかし、『FTD%』がリーグトップとなっており、フリースローは主に2ポイントシュートから生まれることを考慮すると、インサイドからの得点が多いとも考えられる。『2PA%』が2位の群馬クレインサンダーズは、『FTD%』もリーグ4位であるため、2ポイントシュートを非常に重視したチームであることが分かる。最後に『2PA%』が20位、『3PA%』が11位の広島ドラゴンフライズは、『FTD%』が3位となっているため、フリースローの獲得本数が勝敗を分けているチームであると推測できる。