ヤニス・アデトクンボ

写真=Getty Images

2014-15シーズンに新体制で花開いたウォリアーズ

開幕から10試合を終えて8勝2敗と好調のバックスは、11月8日に敵地でウォリアーズと対戦する。試合前日、今シーズンのバックスが優勝を真剣に狙える力をつけたかどうかについて聞かれたステフィン・カリーは、2014-15シーズンのウォリアーズに近い部分を感じていると語った。

「彼らは、4年前の自分たちに近い。景色が変われば力になることだってある。集中力や、物の見方が多少変わるだけで、解き放たれるものもあるんだ」

カリーは「まだ判断するには早い」と前置きしつつ、「彼らはあるべき形で自分たちの仕事に取り組んでいる」と続けた。

今から4年前、ウォリアーズはスティーブ・カーをヘッドコーチに招聘し、新チーム1年目に67勝を記録。売り出し中だったカリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンをベテランのアンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン、アンドリュー・ボーガットらベテランが支え、実に40年ぶりとなる優勝を球団にもたらした。

バックスは、今オフに昨シーズンまで5年間ホークスの指揮を執ったマイク・ブーデンホルザーをヘッドコーチに起用し、開幕ダッシュに成功した。23歳ながら球団、そしてNBAを代表するスター選手に成長したヤニス・アデトクンボを中心とするチームは、快進撃を続けている。

平均25.8得点、13.3リバウンドを記録しているアデトクンボ以外にも、バックスは現時点で先発のクリス・ミドルトン(19.5)、エリック・ブレッドソー(12.7)、マルコム・ブログドン(12.4)、ブルック・ロペス(11.9)が平均二桁得点と絶好調を維持。また、今年のバックスは3ポイントシュートを多投するチームに生まれ変わり、1試合の平均成功数はウォリアーズ(13.3)、ロケッツ(14.0)を上回りリーグ1位(15.6)で、平均得点もウォリアーズ(123.5)に次いで同2位(120.0)の数字を残している。

チームスタッツだけを見れば、2チームは似たスタイルと言えるかもしれない。ただ、エースのアデトクンボはチーム内で唯一3ポイントシュートを武器としないタイプで、今シーズンは21本中2本の成功に終わっている。しかしカリーは、MVP候補にも挙げられているアデトクンボに対し、「たった数歩からペイント内でフィニッシュまで持っていくプレーには驚かされる」と語り、その実力を認めている。

東カンファレンスの優勝争いは、ラプターズ、セルティックス、セブンティシクサーズ、ペイサーズらが中心になると見られている。バックスが今の勢いをどこまで維持できるかは分からないものの、4年前のウォリアーズも新体制で一気にブレークし、頂点に登りつめたことを考えれば、彼らが東の勢力図を塗り替える可能性も十分にある。

明日オラクル・アリーナで行なわれる試合には、5日のグリズリーズ戦で右足を痛めたドレイモンド・グリーンは出場しないが、バックスの地力が試される試合になるだろう。好ゲーム必至の一戦は、バックスにとってターニングポイントになるかもしれない。