FG%とeFG%の違い
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。今回から始まるこの不定期連載では、自称『日本一スタッツを取る素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
今回はアドバンスドスタッツの基本の基、原点にして頂点である「eFG%(effective field goal percentage、実質シュート成功率)」について。
唐突だが、皆さんはフィールドゴールパーセンテージ(FG%)と呼ばれる数値をご存知だろうか? これは公式サイトからでも確認できる数字で、放ったすべてのシュートのうち、成功したシュートの割合である。計算式は(シュート成功数÷シュート試投数)×100で表される。例えば、選手Aと選手Bがそれぞれ10本のシュートを放った試合があったとしよう。選手AのFG%が50%、選手BのFG%が40%だった場合、獲得した得点は何点だったと予想するだろうか?
答えは両選手とも10得点である。賢明な読者はお気づきだろうが、選手Aはすべて2ポイントシュートを放ち、50%を決めて10得点。選手Bは2ポイントシュートを4本放ち2本を決め、3ポイントシュートを6本放ち2本を決め、合わせて10得点を獲得した。
これはeFG%の重要性を表す時によく用いられる例だが、FG%だけで選手を評価することの危険性を分かっていただけただろう。ではどうするのか。3ポイントシュートは2ポイントシュートよりも1.5倍の価値があるため、3ポイントシュートの成功数に0.5を掛け算した数値を元々のシュート成功数に上乗せすればいいのである。
数式は ⦅シュート成功数+(0.5×3ポイントシュート成功数)÷シュート試投数⦆となり、それに100を掛けた数字がeFG%(実質シュート成功率)と呼ばれるスタッツとなる。
ここからは10月17日時点でのeFG%ランキングトップ30を紹介しよう。(全試合出場+試合1本以上シュートを打っている選手が対象)
eFG%ランキングトップ30
チーム | 選手 | 試合数 | 平均得点 | eFG% | 3FG% | 2FG% |
信州 | 三ツ井 利也 | 6 | 2.2 | 93% | 75% | 67% |
広島 | 朝山 正悟 | 6 | 2 | 75% | 60% | 0% |
富山 | ジョシュア・スミス | 6 | 17.3 | 75% | 100% | 73% |
北海道 | 橋本 竜馬 | 6 | 12 | 73% | 60% | 52% |
横浜B | チャールズ・ジャクソン | 6 | 19 | 70% | 0% | 70% |
群馬 | マイケル・パーカー | 6 | 13.3 | 70% | 56% | 67% |
SR渋谷 | ケビン・ジョーンズ | 6 | 19.2 | 69% | 56% | 64% |
滋賀 | 野本 大智 | 6 | 2.7 | 69% | 43% | 100% |
琉球 | ジョシュ・ダンカン | 6 | 13.5 | 68% | 58% | 62% |
名古屋D | 齋藤 拓実 | 6 | 13.8 | 68% | 56% | 52% |
秋田 | スタントン・キッド | 6 | 17.7 | 67% | 46% | 67% |
群馬 | ケーレブ・ターズースキー | 6 | 11.2 | 67% | 0% | 67% |
広島 | 船生 誠也 | 6 | 2.7 | 67% | 40% | 75% |
三遠 | 佐々木 隆成 | 6 | 11.3 | 67% | 48% | 63% |
名古屋D | モリス・ンドゥール | 6 | 9.8 | 66% | 0% | 71% |
秋田 | 田口 成浩 | 6 | 14.2 | 66% | 52% | 52% |
SR渋谷 | 西野 曜 | 6 | 5.2 | 66% | 25% | 73% |
島根 | ニック・ケイ | 6 | 13.8 | 65% | 38% | 69% |
琉球 | ジャック・クーリー | 6 | 16.5 | 65% | 100% | 64% |
A東京 | アレックス・カーク | 6 | 11.3 | 65% | 33% | 66% |
名古屋D | スコット・エサトン | 6 | 13.8 | 65% | 29% | 68% |
三遠 | 細川 一輝 | 6 | 8.8 | 63% | 46% | 20% |
FE名古屋 | 野﨑 零也 | 6 | 8.8 | 63% | 33% | 67% |
大阪 | 合田 怜 | 6 | 8.2 | 63% | 50% | 47% |
川崎 | 増田 啓介 | 6 | 3.8 | 63% | 0% | 77% |
茨城 | 中村 功平 | 6 | 5.7 | 62% | 41% | 63% |
SR渋谷 | ベンドラメ 礼生 | 6 | 12.2 | 62% | 42% | 60% |
島根 | 津山 尚大 | 6 | 12.2 | 62% | 45% | 47% |
京都 | 水野 幹太 | 6 | 3.8 | 61% | 43% | 57% |
川崎 | マイケル・ヤングジュニア | 6 | 11.2 | 60% | 43% | 59% |
上位陣の強烈な数字に目を引かれるが、これは試投本数によって下がるものと考えられる。私が特に注目するのは、橋本竜馬(北海道)、ケビン・ジョーンズ(SR渋谷)、スタントン・キッド(秋田)、齋藤拓実(名古屋D)、佐々木隆成(三遠)、田口成浩(秋田)の6選手。今シーズン好調な彼らを追いかけるのも面白いかもしれない。ちなみに橋本はFG%ランキングでは29位であることも書き添えておこう。