0-29のランを食らい「悪夢のような第1クォーターでした」
アルバルク東京は4月30日、5月1日と敵地に乗り込んで川崎ブレイブサンダースと対戦したが連敗した。この結果、川崎に抜かれ東地区3位に順位が落ちてしまった。
リーグ有数のサイズを誇る川崎を相手にアレックス・カーク、ライアン・ロシターとインサイドの主力を2人欠く中、初戦となった30日はチーム全員で奮闘し68-76と食い下がった。しかし、第2戦は立ち上がりから川崎に圧倒され、試合開始からまさかの0-29のランを食らい、完全に自分たちの戦い方を見失ったA東京は、その後も川崎に好き放題やられ53-85の大敗を喫してしまった。
A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは素直に完敗を認める。「今日は40分間、全く自分たちのバスケットボール、ゲームプランができなかったです。最初の1分目から最後の40分目まですべて川崎さんのペースでした。我々が全く機能しないようなゲーム内容でした」
普段のパヴィチェヴィッチは会見で試合内容について詳しく振り返ってくれるが、その彼をもってしても「この試合は深く分析するものではない」と語る。「フィジカル、メンタルの両方で問題点がありました。疲労やモチベーション、スキルとすべての要素が加わった結果で、できれば今後の試合では絶対にやってほしくない悪夢のような第1クォーターでした。そして川崎さんは本当に素晴らしく強い戦いをして、向こうのやりたいプレーをすべて第1クォーターからやっていたと感じています」
今週末のレギュラーシーズン最終週、A東京はホームで難敵の宇都宮ブレックスを迎え撃つ。他力本願ではあるが、まだ地区2位、地区優勝の可能性を残す一方、ここで宇都宮に連敗するとワイルドカード上位とさらに順位を落としてしまう。ここでズルズルと連敗を続け、チャンピオンシップを迎えるのは当然のように避けたい事態であり、この大敗からどのようにチームを立て直すのか注目を集める。
パヴィチェヴィッチは、今のチームがまずやるべきことを「引きずらないこと。シンプルにこの試合は忘れることです」と語る。「1カ月前ならまだしもレギュラーシーズン残り2試合の時期です。まず、身体のリカバリーを行い、メンタル的にもダメージはありますが、しっかりと頭の中を整理して次の試合に全力で向かっていく。今日の試合のことは忘れて、切り替えることが大事です」
宇都宮戦でキーマンとなる平岩玄「向かっていきたい」
宇都宮戦にロシター、カークが復帰できるのかは不透明かつ、もし復帰できたとしてもいきなり時間制限なしでのプレーは非現実だ。だからこそ相手のジョシュ・スコット、アイザック・フォトゥの強力ビッグマンに対し、A東京としては日本人ビッグマンの平岩玄がどこまで対抗できるのかが勝敗を分ける大きなポイントとなってくるだろう。
「今日の試合は出だしから自分たちのチームとしてやらなければいけないことを失ってしまい、そこを川崎さんに突かれて点差を離されてしまいました。抵抗することができず50点差で負けてもおかしくないくらいの内容だったと思います」。こう試合を振り返った平岩は、宇都宮戦に向け絶対に気持ちで負けないと意気込む。
「チームとしてより上の順位で次のステージにいくためには、勝利が必要です。スコット選手、フォトゥ選手はすごく強い印象的な選手だと思っています。チームとして2人のプレー効率を下げないといけない。そして個人としては今日できなかった入りから戦っていくところをもう1回しっかり考えて準備する。下がってしまったら負けるので向かっていきたいです」
メンバーが揃わない中、今のA東京は連敗中とチャンピオンシップに向けて悪い流れとなっている。ただ、この苦境で難敵の宇都宮を相手に勝利を収めることができれば、それはチーム全体の底上げとなり、一気に状況を好転できる大きなチャンスでもあるはずだ。