「ここ最近は接戦を勝てるようになってきた」
3月13日にアイシン体育館で行われたシーホース三河vs滋賀レイクスターズによるリモートゲームは、リードチェンジを16回も行う接戦の末に三河が93-91で勝利した。
三河は前半だけで20得点を挙げたアンソニー・ローレンス Ⅱを中心にオフェンスを展開する。跳躍力とスピードを兼ね備えたローレンス Ⅱが勢いのあるドライブから得点を重ねれば、重量級パワーフォワードのダバンテ・ガードナーがゴール下のシュートをねじ込んでいく。
一方、前日の試合で71-108と大敗を喫した滋賀は、この試合ではインサイドのショーン・オマラを起点にゲームを展開。オマラはポストでの1on1を仕掛けるだけでなく、ディフェンスが寄ったら冷静に外にボールを散らしてゲームをコントロールした。一時は滋賀が2ポゼッションほどを追いかける時間が続いたが、前半の終盤にはキーファー・ラベナ、柏倉哲平、ノヴァー・ガドソンによる3連続3ポイントシュートも飛び出し、48-45と滋賀のリードで前半を終えた。
拮抗した前半だったが、後半の立ち上がりで試合が大きく動いた。ガードナーがディフェンスを引き寄せては、味方のスペースを作り出していく。また、3点プレーとなるバスケット・カウントなどで得点を量産し、第3クォーターだけで16得点2アシストを挙げてオフェンスを牽引。ガードナーの活躍もあり、三河が後半の開始5分半を22-6と圧倒した。
このまま三河のペースで進むかと思われたが、滋賀も突き放されそうなところで森山修斗の3ポイントシュートやガドソンのアタックなどで2桁前後のビハインドで食らいつく。また、第3クォーター残り51秒にはガドソンがローレンス Ⅱから個人3つ目のファウルを誘発。そして、小澤智将がブザービーターとなる3ポイントシュートを決めて、一時は13点のビハインドを背負っていたが、5点差まで詰めて最終クォーターを迎えた。
最終クォーターになっても三河が1ポゼッションリードを守り続けたが、滋賀はガドソンとオマラ、ラベナとガドソンのツーメンゲームなどで追い上げ、残り3分でラベナがドライブを決めて、滋賀が86-85と逆転した。その後は一進一退の攻防が続き、残り47秒で91-91と同点に。
滋賀はラベナが緩急つけたドライブから放ったシュートはリングに嫌われ、三河がディフェンスリバウンドを奪って迎えたラストポゼッション。三河は西田優大がアタックを試みるがファンブルしてしまいガドソンにボールを奪われた。これで滋賀ボールになったかと思われたが、細谷将司が後ろからスティールしてローレンス Ⅱにパスし、最後はガードナーが決勝点となるシュートをねじ込んで93-91で三河が勝利した。
ルイス・ギルコーチ「今日の選手の頑張りは満足です」
滋賀の指揮官ルイス・ギルは、敗れたものの「昨日と違って、一つひとつのプレーに戦う意識が出ていました。これを当たり前にして、しっかり戦っていかないといけない」と、前日の大敗から見事なカムバックを見せた今ゲームを振り返った。
「今日の選手の頑張りは満足です」と続けた。「オフェンスはやるべきところができて、アシストが25本は大きな変化です。チーム全員がフィットしながらできていたのがすごく良かったです」
そして、滋賀の反撃に遭いながらも、勝ち切った三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「滋賀さんが出だしから素晴らしかったです。エナジー全開でチャンピオンシップの決勝みたいなディフェンスをしていました。得意な3ポイントシュートと速攻をかなり出されて、ついていくのが大変でした」と振り返ったが、「ここ最近は接戦を勝てるようになってきたので、それはチームとして成長に繋がります」と接戦を勝ち切った要因をこう語った。
「クロスゲームの時に無茶なシュートやいつもやっていないプレーをしたり、ファウルをしないというチームルールがあって、そういう当たり前のこともコミュニケーションを取りながら練習しています。試合でもハドルを組んでコミュニケーションを取るようになったので、そこが良かったです」
レギュラーシーズンはいよいよ終盤戦を迎える。鈴木ヘッドコーチは「シーズン中盤戦は、チームとしてやってはいけないミスをして負けたケースが結構ありました。まず、後半戦はそういう失敗をしないように戦うのが一つ」と言うと、こう続けた。
「前半戦は選手を見て、ミスをしても使っていましたが、これからは練習中にできないことはゲームでも出てこないので、そこは厳しくして、できなかった選手は使わないです。みんなでしっかりと遂行できるチームを作りたい。そうじゃないと勝てないので、選手が試合でしっかりと遂行できるように、口酸っぱく練習から訓練していきたいです」