「出だしからしっかりゲームをコントロールしてプレーができていた」
3月9日、ホームで滋賀レイクスターズと対戦した川崎ブレイブサンダースは試合序盤から攻守で圧倒。103-56と快勝し、土曜日に行われる天皇杯の決勝戦に向け大きな弾みをつけた。
川崎はパブロ・アギラールを3番で起用するビッグラインナップでスタートすると、開始直後からアギラールがマッチアップする滋賀の日本人フォワードとのミスマッチを突いてゴール下で確実にシュートを成功させた。滋賀の拙攻もあって、トランジションの展開に持ち込むことでティップオフから14-0といきなり突き放した。
滋賀はノヴァー・ガドソンが連続得点を挙げ、なんとか盛り返したいところだったが、川崎はジョーダン・ヒースのアリウープ、マット・ジャニングの3ポイントシュート成功と、反撃のきっかけを与えなかった。滋賀のフィールドゴールを19本中わずか3本の成功に抑え込んだ激しいディフェンスで、川崎が第1クォーターを22-7とリードした。
第2クォーターに入っても川崎の勢いは止まらない。引き続き強度の高いディフェンスで滋賀にタフショットを強いると、そこから攻守の素早い切り替えから得意の素早いパス回しで、守備のズレを作り出しオープンシュートの機会を量産する。その結果、長谷川技の3本中3本成功など、このクォーターだけで3ポイントシュートを7本中5本を成功させ、フィールドゴールも15本中11本成功とオフェンスが爆発した。守っては引き続き滋賀を1ケタに抑え、攻守で文句ないプレーを披露。前半を終え53-16と大量リードを奪った。
後半に入っても、川崎は緩みのないプレーを続けた。そして、オヴィ・ソコ、野本大智と主力を欠く滋賀に対して全く付け入る隙を与えず、そのまま楽々と逃げ切った。
試合後、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、自分たちのやるべき事がしっかりできたと語る。「しっかりボールをシェアしてオフェンスを行い、ディフェンスはコミュニケーションを取って全員で守る。天皇杯決勝を前にした最後の試合で、川崎のバスケットボールの軸が何かをしっかり頭にいれてやろうと話しをして試合に臨みました。その通りに出だしからしっかりゲームをコントロールしてプレーができていたと思います」
これで川崎は、ベストメンバーとなった3月5日の信州ブレイブウォリアーズ戦(99-75)に続いての快勝と、上昇気流に乗って土曜日の天皇杯決勝に臨める。「先週の土曜日、J(ヒース)が戻って全員が揃ったところから練習したことがしっかり表現できている手応えは感じています。良い形で天皇杯の決勝に臨めると思います」と指揮官もチームの状態に手応えを感じ、千葉ジェッツとの大一番への意気込みを語る。
「一発勝負なので、どっちが先に流れをつかむか。流れが行ったり来たりする中で良い流れをいかに維持して、自分たちのバスケットをする時間を長くすることが大事です。相手というよりは我々のやってきたバスケットをぶつける。それができるかどうかだと思います」
そして最後に指揮官は、こう締め括った。「あとはファンの皆さんも楽しみなマッチアップが各ポジションにあるので、そこで1人ひとりが目の前の相手との戦いに勝てるか。ウチの選手たちはやってくれると思います」。
この佐藤ヘッドコーチの信頼に選手たちがしっかり応えた時、結果は川崎の望むモノとなっているはずだ。