株式会社マイネット

8月1日、ゲーム領域・スポーツ領域でのDX推進を通じて、人々の繋がりの拡張とコミュニティの長期運営を目指す株式会社マイネットが株式会社ティーアンドエスより『バスケット・カウント』事業を譲受した。マイネットはメディアそしてファンタジースポーツの両面及びそれらが生み出すシナジー効果を用いて、国内におけるバスケットボールファンコミュニティの熱量を高めていくことを宣言している。そして今回、マイネットの代表取締役社長を務める上原仁、取締役専務執行役員を務める岩城農、ティーアンドエスの代表取締役を務める稲葉繁樹が集い、今回の事業譲受に至った経緯や今後の展望について話し合った。

「バスケへの愛の強さと戦略の深さを感じた」

──あらためて、事業譲受に至った経緯を教えてください。

稲葉 もともとバスケット・カウントは、バスケ好きな私が日本のバスケ界に何かの形で貢献したいと考えていた時に、前バスケット・カウント鈴木編集長と日本バスケットボール協会にあいさつに行き、バスケ専門のメディアが少ないという話を聞いてスタートしました。Bリーグが立ち上がる前から7年くらいやってきた中で、私たちも次のステージに行かないといけないと感じていました。そんな中、スポーツDXを推進している仁さん(上原社長)が正しくチームを買収されたり、正しくファンタジースポーツを始めるなど、マイネットさんのバスケへの愛は本物だなと思い話をさせていただきました。

上原 マイネットは名前の通り、人の繋がりを豊かにするというのがコンセプトの会社です。人の繋がりは熱狂とかコンテンツの周りに人が集まってできるもので、ゲームの場合も、スポーツの場合もその周りに人が集まってコミュニティができます。どのようにこのスポーツに対して取り組んでいこうか考えた時に、プロスポーツクラブの経営面でデジタルの力を駆使できていないのがもったいない、ユーザーさんとデジタルの接点がまったく開拓されていないと思いました。こうした旧態依然の部分に取り組んでいくために起こした活動が滋賀レイクスの買収及び経営改善とファンタジースポーツでした。特にBリーグと深いアクションを起こしたことで、クラブや経営の方は今まさに次のジャンプアップのための編成ができている状態になったと思います。ファンタジースポーツでも最初のマネタイズができました。ここから次の躍進のためにはユーザーさんのベースとなる場がすごく必要となる。そして、バスケを好きな方々が集まっている場所で一緒にこの取り組みやっていくことが重要だと思ったのです。

稲葉 仁さんには僕からお声掛けさせてもらったんです。スポーツ界の今のいろいろな課題を解決していく流れで考えた時に、上場企業の会社がバスケチームのオーナーになるということはすごく意味のあることだと思っていました。仁さんのようなオーナーシップを持ってやることに意義があり、岩城さんがファンタジースポーツの運用を始める。タイミング的にもマイネットグループが一番良いと思いました。岩城さんと細かい話をさせてもらい、頼んでないのに極厚の資料を送っていただいたり(笑)。そういうバスケへの愛の強さと戦略の深さを感じたので、純粋に一択だなと思い話をさせてもらいました。

──岩城さんは以前からバスケット・カウントに目をつけていたのでしょうか?

岩城 目をつけていたというと感じが悪いじゃないですか(笑)。でも事業としてどのように駒を進めていくかを考えた時に、メディアが持つ役割というのを強く信じていたのは確かです。Instagramのラーメンの写真だったり、犬や猫の動画を見るのと同じように、お客様がバスケを毎日身近で楽しめている状態になることが完成形だと思っています。その中でファンタジースポーツの役割もすごく強く感じていて、今回ご一緒する前からプロモーションとしても深くご相談させていただいていたこともあり、一緒にやらせていただくことで毎日バスケを楽しめるようにしていくという挑戦はエキサイティングだなと思いました。

昔であればホームチームしか応援しないなど一子相伝でしたが、好きな選手に引きずられて応援するチームが変わるファンも出るなど、時代の流れとともに試合の見方や競技との接し方もどんどん変わってきていると思います。いろいろな娯楽が増えれば増えるほど人の意識は分散されますが、競技そのものの魅力は変わっていないとも思っていて、特にバスケには湧き出るほどの魅力があると信じています。バスカンの記事みたいに読みごたえのあるものを読むことによって実際に試合を見た気になったり、プレビューを読んで週末の試合への気持ちを高ぶらせる。ファンタジースポーツは試合全部を見なくてもスタッツだけで楽しめますし、バスケは味がなくなるどころか楽しめる要素がまだまだあります。それを多角度から発信し、バスケ界を盛り上げていければと思っています。