アンドレ・イグダーラ

イグダーラ「相手の立場で考えてみる」

今シーズンのウォリアーズは、王朝時代を彷彿させるチームに成長し続けている。

ステフィン・カリーやドレイモンド・グリーンといったベテラン以外にも、ジョーダン・プールなど伸び盛りの選手の成長も好調を維持できている大きな要因の一つだ。MIP賞候補に挙がる可能性があるプールを精神的に支えているのは、大ベテランのアンドレ・イグダーラだ。ウォリアーズ黄金期を知るイグダーラは、グリーンの番組『The Draymond Green Show』に出演した際に、22歳のプールに限らず、若手との接し方について次のように話した。

「ジョーダン・プールはお気に入りの選手の一人だよ。彼は感情を表に出すタイプで、僕も以前は同じだった。だから自分ごとのように考えられる。彼は勝ちたい気持ちが強くて、自分の力を証明しようとしている。そういう彼のような選手に何かアドバイスをしても、思ったような反応が返ってこないこともある。ただ、22歳の頃の自分も同じような感じだった。だから自分に置き換えて考えるようにしている」

「自分なりの考え方もあるけど、彼の立場になって考えるようにしている。特定の状況で、『自分ならチームメートに何と言ってもらいたいかな?』と考えてみるんだ。辛抱強さも大切だけど、大事なのは彼らと同じ気持ちになって考えること。その壁を乗り越えられると、若い選手は心を開いてくれるし、建設的な批判も受け入れてくれる」

31歳になったグリーンも、ルーキーのジョナサン・クミンガとの接し方について持論を語った。相手の立場に立つイグダーラとは異なり、グリーンは12歳年下のクミンガに対して、自分の子供のように接していると言う。

「クミンガは僕より12歳も若い。僕は31歳で彼は19歳だから、同じ感覚ではない。だから彼と接する時は、兄弟と接するというよりかは子供と接する時のような感じになる。もしくは、一緒につるむ兄弟というより、歳の離れた幼い弟のように接している。だから、伝え方もイグダーラとは違う。ウチのDJ(息子)にしない言い方は、クミンガにもしない」

グリーンは、クミンガにNBAで成功を収めるために必要なことを教えようとしている。「この2年間のチーム状況は悪かった。試合に負けるのは辛いし、負け試合で失うものもある。JK(クミンガ)には、彼にとって相応しい成功を収めるために必要なすべてを教えてあげたい」

今ではベテランと呼ばれる選手も、昔は若手だった。イグダーラは当時の経験を生かそうとし、グリーンはチームメートの性格に合わせて自分流のやり方でコミュニケーションを取ろうとしている。どちらにしても、18勝3敗という成績を収められている以上、今シーズンのウォリアーズはベテランと若手の歯車がしっかり噛み合っている。試合を重ねるごとにチームケミストリーが強固になれば、3年ぶりの優勝だって夢ではない。