男子日本代表

3ポイントシュートは20%しか決まらず、インサイドも制圧される

トム・ホーバス率いる新生バスケットボール男子日本代表がワールドカップ2023予選Window1、中国との第1戦に臨んだ。日本の先発は富樫勇樹、比江島慎、アキ・チェンバース、張本天傑、シェーファー・アヴィ幸樹の5人。

懸念された高さの不利を突かれ、212cmのジョウ・チーに連続得点を許してしまう。そして、チームの肝である3ポイントシュートに当たりが来ず開始2分半で0-8と先行された。張本がミドルシュートを決めてようやくスコアが動いたが、その後もインサイドの失点が続き、開始5分で2-14といきなり2桁のビハインドを背負った。

日本はアグレッシブにプレッシャーをかけてタフショットを打たせるが、オフェンスリバウンドを何度も奪われ、セカンドチャンスポイントを止められない。途中出場の齋藤拓実がペイントアタックを織り交ぜたことでオフェンスが活性化し、西田優大が3ポイントシュートを沈め、シェーファーがバスケット・カウントを奪った。それでも14本放った3ポイントシュートが1本しか決まらず、11-27で第1クォーターを終えた。

オフェンスを改善したい日本だが、ガード陣が厳しくマークされたことで簡単にエントリーさせてもらえず、ビッグマンがパスの相手を探すシーンが何度も見られた。ゾーンディフェンスが機能し、張本のオフェンスリバウンドから古川孝敏の3ポイントシュートに繋げ、速攻を成功させるなど良いプレーも増えたが、要所でセカンドチャンスポイントやドライブから失点したことで、29-45と点差を詰められないまま前半を終えた。

男子日本代表

最終クォーターは23-15と上回り意地を見せる

後半開始13秒、比江島が個人4つ目のファウルを犯してしまいベンチへ下がる。前半に機能したゾーンを敷くも、ハイ&ローで優位な状況を作られるなど対策され、ジョウ・チーのインサイドアタックを止められずにビハインドは20に広がった。

残り6分を切ったところで、張本をブロックしたジョウ・チーが右足を捻挫しプレー続行が不能に。すでに24得点を記録しインサイドで絶大な存在感を示していたジョウ・チーが退場したことで中国の勢いが止まるかと思われたが、ポイントガードのグォ・アイルンが3ポイントシュートにプルアップを沈めたことで流れを渡さなかった。

その後も日本は中国のフィジカルなディフェンスをこじ開けられない。オフェンス優位な状況を作ってもインサイドの高さが気になりフィニッシュに持ち込めず、ショットクロックが残り少なくなったところでタフショットを打つ悪循環に。ゾーンは完全に攻略され、グォ・アイルンに2連続で3ポイントシュートを許し、第4クォーター序盤でビハインドは30の大台に乗った。

勝負はすでに決していたが、最後まで集中力を切らさない日本は竹内公輔やエヴァンスがオフェンスリバウンドをもぎ取り、セカンドチャンスポイントに繋げていく。速攻の意識も高まり、富樫が連続で3ポイントシュートを沈めるなど、第4クォーターは23-15と上回り意地を見せた。

それでもやはり中国の壁は高く63-79で完敗。3ポイントシュートは35本中7本の成功(20%)と低調に終わり、ホーバスコーチの初陣はほろ苦い結果となった。