サンロッカーズ渋谷

横浜から25個ものターンオーバーを誘発したディフェンス

横浜ビー・コルセアーズがホームにサンロッカーズ渋谷を迎えた一戦は、2度に渡る12-0のランで劣勢を覆したSR渋谷が89-77で勝利した。

序盤は対照的な内容に。SR渋谷はハードなディフェンスが機能し、第1クォーターだけで8個ものターンオーバーを誘発したが、3ポイントシュートが7本中1本しか決まらない。対する横浜はターンオーバーは多いものの、アウトナンバーでの3ポイントシュート成功など、6本中4本の3ポイントシュートが決まり、22-21とリードした。

第2クォーターに入ってもSR渋谷のプレッシャーディフェンスは機能していた。ダブルチームからのトラップディフェンスでボールを奪い、ワンマン速攻に繋げるなど良いプレーが続出したが、オフェンスリバウンドを6本も奪いながら、セカンドチャンスに繋げられず捕まえきれない。ダブルチームをギリギリでかいくぐられ、パトリック・アウダにイージーシュートを許すなど、33-38とビハインドを背負ったまま前半を終えた。

それでも後半、SR渋谷が一瞬の爆発力を見せて逆転する。アウダからオフェンスファウルを誘発し、パワーフォワードのレジナルド・ベクトンに3ポイントシュートを打たせるなど、横浜にオフェンスを組み立てさせずに失点を防ぐ。これでリズムに乗ったSR渋谷はジェームズ・マイケル・マカドゥのワンマン速攻やベンドラメの連続得点が決まり、開始約3分間で12-0と走って一気に逆転した。

その後、立て直した横浜に2点差まで迫られたが、最終クォーター序盤に再びビッグランを作った。ボール奪取から走り、アウトナンバーから高橋耕陽が3ポイントシュートを沈め、マカドゥがワンマン速攻を成功させるなど、ターンオーバーを確実に得点へ繋げた。さらに一瞬の隙を突いてマークを外した石井講祐が3ポイントシュートを沈めてリードを2桁に乗せると、直後のディフェンスでオフェンスファウルを誘発し、これで得たポゼッションでまたも石井が3ポイントシュートを決めた。勝機を見逃さず、約3分間で12-0と走ったSR渋谷がこのまま逃げ切った。

伊佐勉ヘッドコーチが「ペイントアタックを意識して、外のシュートを我慢しようと話しました」と語ったように、SR渋谷は内外バランス良くオフェンスを組み立てたことで、前半は15本中1本の成功に終わった3ポイントシュートが、後半は20本中11本の成功と精度が急激に上がった。また、「ディフェンスの強度も高く、ダブルチームを織り交ぜながら波に乗って、良いリズムが生まれてこういう試合になった」と試合を振り返った。

SR渋谷は横浜から18個のスティールを奪い、25個ものターンオーバーを誘発したように、トラップディフェンスが非常に機能していた。それでも、「今年はトラップの練習を全然していません。去年やっていたことを思い出しながらでしたが、上手くいった」と語っただけに、今後さらにディフェンスの破壊力は増すはずだ。