ラジョン・ロンド

ベテラン揃いのチームで「経験の差が違いを生み出せる」

レイカーズに戻って来たラジョン・ロンドは、入団会見の席で上機嫌だった。「前回は優勝したけど、パレードができなかった。ここLAでパレードがしたいんだ」

そして「素晴らしいのはチーム最年長じゃなくなったことだ。実際、僕は5番目ぐらいだっけ? 2カ月前まではチームで一番年齢が上だったけど、今は若手に入るんじゃないかな」とジョークも飛び出した。

最年長はカーメロ・アンソニーで、年末にはレブロン・ジェームズが誕生日を迎えて37歳で並ぶ。マルク・ガソルとトレバー・アリーザは1つ下の1985年生まれで、ドワイト・ハワードとロンドが1986年生まれ。さすがに『若手』とは呼べないが、新体制のレイカーズでは上から数えて6番目となる。

ラッセル・ウェストブルックは32歳で、それより上の選手が9人もいる。極端にベテランに偏ったチーム構成になっているが、ロンドは「ネガティブに見る人がいるのは理解している。でも、このリーグを戦う上で大切なのは規律であり、僕は心配していない。むしろ経験の差が違いを生み出せると思っている」とポジティブに考えている。

「素晴らしいロスターになったし、ロブ・ペリンカGMは今回も良い仕事をしたと思う。全員が勝ちたいと思う気持ちを強く持ち、バランスも取れている。トレーニングキャンプから全員で良いケミストリーを作って、偉大なチームになりたい」

そして今回のレイカーズ復帰の決め手になったのは、ヘッドコーチのフランク・ボーゲルの存在だと語る。「コーチ・フランクとの関係は特別なものだ。彼は僕への期待を語ってくれた。ロッカールームで僕の声が聞けなかったのが寂しかったとも言ってくれた。求められることがいかに大事かは分かってもらえるよね。彼の存在は今回のレイカーズ復帰の重要なカギとなった」

彼の異名は『プレーオフ・ロンド』。相手を研究し尽くす中で4勝を取りに行くプレーオフこそが、ロンドのスキルとバスケIQが最も輝く舞台となる。一昨シーズンの優勝では、まさにその能力が生かされた。一方でクリッパーズの一員だった昨シーズンは、チームはカンファレンスファイナルまで進んだが、ロンドに多くの出番は与えられなかった。

彼にとってもプライドを傷つけられた出来事だったのだろう。「僕のプレースタイル自体はこの10年変わっていない。まさにコーチとの関係性だよ。コーチが選手を信じてこそ、実力は発揮される。僕はまだゲームに多くの影響を与えることができる」と語る。

「トレーニングキャンプ開始時点で優勝を目指すと言えるチームは多くない。その一員になれて興奮している。僕らはまだまだやれるはずで、年齢がネガティブな要素だと考えている人たちを結果で見返したい。それに、僕は勝つのが好きだからね」