ティム・ハーダウェイJr.

「目的を成し遂げることができるだけのコアグループがある」

NBA屈指のスーパースターであるルカ・ドンチッチを擁するマーベリックスは、2011年のNBA優勝以降、プレーオフファーストラウンドを突破できていない。

チームを13シーズン率いたリック・カーライルが辞任し、2005年からGMを務めたドニー・ネルソンも退団。新指揮官にジェイソン・キッドを、新GMに長年ナイキの役員を務めたニコ・ハリソンを迎え、プレーオフで勝てるチーム作りを進めている。そして、ディフェンスに定評のあるレジー・ブロックとスターリング・ブラウン、リバウンド力のある若手センターのモーゼス・ブラウンを新たに加えた。

ドンチッチ、クリスタプス・ポルジンギスに次ぐ平均16.6得点を昨シーズンに記録し、チームの中核を担うようになったティム・ハーダウェイJr.はこの夏にマブスと4年契約を結んだ。ハーダウェイJr.はマブスが自分にとってのホームとなり、優勝を狙えるチームであると主張した。

「数年前からのコアが残っていて、目的を成し遂げることができるだけのグループがあると思う。ここにいるべきだと感じているし、僕は取り残されたくないんだ」

新指揮官のキッドが「ルカはあまりにも優れている。彼にボールを託すバスケは変わらない」と語ったように、ドンチッチ中心のチーム作りを進めていく方針は続く。だからこそ、ドンチッチの負担を軽減する周りのプレーヤーのステップアップが必要となる。

その一人であるハーダウェイJr.はケガで苦しんだポルジンギスへの期待を語った。「ケガはゲームの一部。彼が自分のリズムや自信を保てなかったのは手術など様々な要素があった。僕は彼がどんな選手であるかを知っている。ここにいる誰よりも彼の能力を知っていて、あの頃のKP(ポルジンギス)が戻ってくれば、どのチームが相手でも勝てると思っているんだ」

また、キッドはディフェンスの改善が優先事項と語りつつ、チームケミストリーの向上が必要と訴えた。ドンチッチもオリンピックの3位決定戦にまで勝ち進んだスロベニア代表を例に出し、「スロベニアには素晴らしいチームケミストリーが備わっている。だからこそ、僕たちは勝てているんだ」と、優勝するために必要な要素に『チームケミストリー』を挙げていた。

その発言を覚えていたキッドは「この夏、リーダーの一人が言っていたが、我々はケミストリーの構築に取り組まなければならない」と話し、このように続けた。「私たちは家族で、意見の相違があっても前に進み、お互いに助け合う。それこそが、我々が目標にする最大のモノで、このチームが共にあるということをファンは目にすると思う」

レイカーズでチームのまとめ役として存在感を放っていたジャレッド・ダドリーが現役を引退し、アシスタントコーチに就任したこともチームケミストリー構築の一助になるはず。皆がホームと感じれるようなチームになった時、再びマブスはタイトルを手にすることができる。