ジェイレン・サッジス

ラプターズの選択に注目が集まる

日本時間7月30日に行われるNBAドラフトはケイド・カニングハム、ジェイレン・グリーン、エバン・モブリーがトップ3で指名されることが予想されています。続く4位から6位にはジェイレン・サッジス、スコッティ・バーンズ、ジョナサン・クミンガが予想されていますが、指名順位は4位指名権を持つラプターズの動き次第で大きく変わってきそうです。

最も高い評価をされているサッジスは、NCAAで猛威を振るったゴンザガの1年生エースで、14.4得点、5.3リバウンド、4.5アシスト、1.9スティールを記録。得点とアシストの両面で活躍しただけでなく、ガードとしては高いリバウンド力を持ち、ディフェンスの良さも光りました。NCAAトーナメントでは劇的なロング3ポイントシュートをブザービーターで決める勝負強さも見せました。

ドライブでインサイドに侵入してのジャンプシュート、リバウンドから速攻を生み出すロングパス、優れたディフェンス能力。そして何よりも強気で攻める姿勢はラプターズにとって『カイル・ラウリーの後継者』にしたい素材です。このタイミングで4位指名権を手に入れたことは、天運とでも言いたくなるような巡り合わせです。

4位指名はサッジスが濃厚ですが、もしもラプターズがラウリーやゲイリー・トレントJr.を残留させ、即座に優勝を狙うのであればバーンズの方が適任かもしれません。フロリダ州立大のパワーフォワードは220cmのウイングスパンを誇るハードワーカーで、ポイントガードを相手にハイプレッシャーディフェンスができるフットワークの持ち主。OG・アヌノビーを彷彿とさせ、ラプターズのディフェンスにまさにフィットするタイプです。オフェンスには課題が多いものの、主力を変えないならば今のラプターズにとっては堅実な補強になります。ただ、その場合はプレースタイルの重なる渡邊雄太の出番が減ることが予想され、日本のバスケファンにとってはありがたくない指名になりそうです。

5位指名権を持つマジックはトレードデッドラインで主力を放出し、ガードにはマーケル・フルツ、コール・アンソニー、RJ・ハンプトンと得点力のある若手を揃えており、ウイングの補強が優先となります。ディフェンス力に加えてアシスト力の高いバーンズは適切な補強と言えそうです。

対抗になるのがGリーグ・イグナイトでプレーしたクミンガで、15.8得点、7.2リバウンドと得点でもリバウンドでも貢献できる期待値の高い18歳です。ただフィールドゴール成功率が39%と低く、素材型のため育成力の高いサンダーによる6位指名が濃厚です。

サンダーはシェイ・ギルシャス・アレクサンダーとルーゲンツ・ドートのガードコンビがおり、ウイングの補強はポジション的にも適切で、なおかつ推進力の高いクミンガはフィットしそうです。ただしサンダーの場合は、『予定通り』には進めない怖さも持っています。今回のドラフトでは16位指名権と18位指名権を持ち、さらに大きなキャップスペースを持っています。上位チームにとってサンダーを挟んだトレードによってサラリー調整をしていくことは重要で、指名権を含めたビッグトレードも考えられます。サンダーにとっての本番は『ドラフト後』の動きになるのかもしれません。