髙田真希

「何が足りないのかはみんな分かっている」

バスケットボール女子日本代表は東京オリンピック前、最後の国際強化試合でプエルトリコ代表と対戦し、94-59での快勝を収めた。

キャプテンの髙田真希は「ベルギー戦は40分間、出だしから自分たちのバスケットができましたが、今日は出だしが良くなかったのが反省点です」と、試合後の会見の一言目で改善点を挙げつつも「良い経験ができました」と語る。「オリピックでそういうことをやってしまうと勝ちきれないし、もったいない試合になるので、今日経験したことを生かしていけたらと思います」

その中でも、髙田はこの2試合を通じて得た収穫点にディフェンスを挙げた。髙田が言うように、日本はコートに出ている全員が高い位置から積極的なディフェンスを仕掛け、ベルギー戦では12スティール、プエルトリコ戦では10スティールを奪い、そこからの速いバスケットを展開してみせた。

「収穫はアグレッシブなディフェンス、機動力を生かしたディフェンスをやれば相手のミスを誘えたり、そこから日本の速い展開に繋がるオフェンス、バスケができたことです。練習ではできていましたが、いざ海外のチームを相手にやった時にどうかなと思っていましたが、実際にオリンピックに出場するチームとやってみても通用しました。自分たちはどのチームよりも身長が低い分、そういったところでアドバンテージを取らないといけないので、そこが通用したのは良い収穫でした」

髙田真希

指揮官「オリンピックでウチの強い、楽しい、きれいなバスケットを見せたい」

エースの渡嘉敷来夢がケガからの回復が間に合わずにメンバーから外れ、インサイドの高さ不足をトランジションと3ポイントシュートで補うためにスモールラインナップへと切り替えた日本代表だが、合宿を重ねるごとにその精度は確実に高くなっている。

髙田は現時点でのチームの完成度について「良い時で7、8割はできていると思います」としつつも、残りの2、3割についてこう語った。「今日の第1クォーターは半分ぐらいだったので、もっとやらなきゃいけないこと、高めないといけない部分はあります。何が足りないのかはみんな分かっているので、残りの期間で練習して準備していきたいです」

指揮官のトム・ホーバスも開催が延期になったこの1年間について「ケガ人も引退選手も多かったです。でも、バスケットはそういうスポーツでアジャストが必要なので仕方がないこと」と言う。「ウチはいろいろアジャストしていきましたが、今は面白いバスケットをやっていると思います。このオリンピックというチャンス、大きいステージでウチの強い、楽しい、きれいなバスケットを見せたいです。とにかくオリンピックが楽しみです」

東京オリンピックに挑む12選手の中で、リオ五輪を経験しているのは髙田を含めた5選手のみだ。もちろん、戦術云々は大切だが髙田は「緊張すると思いますが、楽しむことが一つのポイントになると思う。良い意味で楽しみながら自分たちのプレーを発揮していこうと、チームには今後も言い続けたいです」と言う。

そして、東京オリンピックは無観客での開催となるため「寂しさはありますが、自分たちがやるべきことは変わりません」と力強く語った。「自分たちは金メダルを目指して大会に挑みます。やるべきことは変わらないので、最高の舞台で自分たちのパフォーマンスをして、初戦からエンジン全開で戦っていきたいです」

金メダル獲得を目指す女子日本代表は、7月27日にフランス代表との初戦を迎え、その後、30日にアメリカ代表、8月2日にナイジェリア代表と戦う。