レブロン・ジェームズ

シュルーダーやクーズマを手放して、ウェストブルック獲得へ!?

レイカーズのNBA連覇に向けた挑戦はあっけなく終わってしまった。今のサンズを過小評価すべきではないが、レブロン・ジェームズは足首のケガを抱えてプレーを続け、アンソニー・デイビスは鼠径部のケガで最後まで戦うことができなかった。彼らが100%のコンディションであれば、また違った結末もあったはずだ。しかし今は、次のシーズンに向けた準備に取り掛かるべき時だ。

ロブ・ペリンカGMは、新シーズンに向けた編成についてフランク・ボーゲル、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスと意見交換をしながらその方針を決めると語った。「レブロンとAD(デイビス)は今後も長くこのチームの柱であり、ロスターの構築にも関わることになる。フランクも含めて一体となって決定を下す。それが我々のプロセスだ」

選手たちのシーズン総括の会見からは、それぞれの未来が少なからず見えてくる。例えばモントレズ・ハレルは自分に与えられた役割への不満をはっきりと語っている。マルク・ガソルもモチベーションを保つことが難しかったことを認めている。それでも「1000%レイカーズに残る」と宣言したジャレッド・ダドリーのように、多くの選手がレブロンとデイビスとともに再び優勝を目指したいと考えている。

レイカーズで来シーズンの契約が保証されているのは6人しかいない。レブロンとデイビス、ケンテイビアス・コルドウェル・ポープ、カイル・クーズマ、ガソル、ルオル・デン。チームに忠誠を誓うアレックス・カルーソ(レブロンとの相性が良く、レブロンのお気に入りでもある)とテイレン・ホートン・タッカーとは再契約しそうだが、エースとしてプレーしたいデニス・シュルーダーに残留を受け入れさせるのは難易度が高い。それでも、シュルーダーを手放して彼以上のポイントガードを獲得できるかどうかは懐疑的にならざるを得ない。

もっとも『誰を出して誰を取るか』よりも先に来るべき議論は、新シーズンのレイカーズがどのようなスタイルで戦うかだ。過去2シーズン、デイビスは4番ポジションでのプレーを好み、チームもそれを認めてきた。最もフィジカルに戦い、消耗の激しい5番ポジションを他の選手に任せて、デイビスを常に良いコンディションでプレーさせるのがその目的だ。それでも今シーズンは、デイビスをセンターに据えてフォワードを1枚増やす選手起用がハマった。これがハレルやガソルのプレータイムを削り、彼らのストレスの原因になったのは事実だ。

最も扱いが難しいのはカイル・クーズマだ。ハレルやガソルと同様に十分なプレータイムがないクーズマの立場は微妙なものとなっている。今シーズンの成績は12.9得点、6.1リバウンドと悪くはない。しかし、プレーオフでは21.5分の出場で6.3得点、3.8リバウンド。レブロンとデイビスに並ぶのは無理にしても、彼らに続く活躍ができているわけではない。かつての『ヤングコア』の生き残りである25歳のクーズマに球団もファンも夢を見たいのだろうが、ディアンジェロ・ラッセル、ブランドン・イングラムに続きジュリアス・ランドルがオールスターに成長し、ジョーダン・クラークソンやロンゾ・ボールも移籍先で活躍している今、レイカーズに残ったクーズマは他のビッグネームの影に隠れたままだ。彼の契約は来シーズンから1300万ドルに上がるが、先発やセカンドユニットのエースといった、その金額に見合った活躍は望めないのではないか。

シュルーダーとハレル、そしてクーズマの来シーズンからの年俸を合わせると4000万ドル。これは3人目のトップスターを獲得できる金額だ。今オフはフリーエージェントの目玉が不在だが、トレードの可能性はいくらでも模索できる。テリー・ストッツを解任したトレイルブレイザーズの将来性にデイミアン・リラードが疑問を持てば、あるいはチーム再編が進まないウィザーズが年俸の高いラッセル・ウェストブルックを手放したいと考えれば、今オフを揺るがすトレードの可能性が出てくる。

『Bleacher Report』はウェストブルックのレイカーズ入りの可能性を報じている。ジョン・ウォールのトレード要求を受けて獲得したウェストブルックはチームの長期構想に入っておらず、来シーズンには4400万ドルになる年俸負担を避ける方向に動くかもしれないとのこと。

レイカーズにとってはレブロンとデイビスの周囲を優れたシューターで固めるのが一つの理想形で、ウェストブルックはそれとは真逆の存在だが、2人の負担を軽減して、もしどちらかが欠場したとしても負けないチームを作る補強としては『アリ』だろう。シュルーダーがフリーエージェントで退団すれば、そのポジションにウェストブルックは収まる。ポジションが重ならないこの3人は、ネッツの『ビッグ3』以上の破壊力を発揮できそうだ。

今シーズンは不運な結果に終わったが、レブロンとデイビスがいる限りレイカーズは常に優勝争いのできるチームであり続ける。だが、彼らの契約が切れる2023年以降には何の保証もない。『ヤングコア』はほとんど手放してしまったし、その生き残りであるクーズマやカルーソが2年後にオールスターへと成長して、レブロンとデイビスの後継になるかと言えば、厳しいと言わざるを得ない。しかし、とにかく今はあと2シーズンでどれだけ勝てるかが問われる。そのためにどのような編成を行うべきか。ペリンカとボーゲル、レブロンとデイビスはどんな話し合いをしているのだろうか。