レブロン&カリー

レブロンのコンディション、カリーへのディフェンスがカギに

プレーイン・トーナメントで最大の注目カードがレイカーズvsウォリアーズだ。レブロン・ジェームズとステフィン・カリーがポストシーズンでまた直接対決することになった。今回はNBAファイナルではなく、彼らがもともと望んでいたわけではないプレーイン・トーナメントでの対戦だが、負けられない勝負であることに変わりはない。勝てば西地区の第7シードで、プレーオフ1回戦ではサンズと対戦する。負ければプレーオフ進出のためにもう1試合を戦うことになり、勝ってもレギュラーシーズンで最高勝率を収めたジャズと戦うことになる。

レイカーズにとってもウォリアーズにとっても、相手のエースをどう抑えるかがカギになる。

レブロンは足首を痛めてレギュラーシーズン終盤戦でほとんどプレーできなかった。フランク・ボーゲルはこの試合に向けて「レブロンもデイビスもコンディションは問題ない」と語っているが、どこまでコンディションが戻っているか。スピードに乗ったウォリアーズの攻めに対して足を動かして守れるか、ルーズボールに追いかけるハッスルを出せるかどうかが問われる。彼の足首の状態はこの一戦だけでなくプレーオフ全体を左右する問題だけに、試合開始からまずはその動きに注目したい。

レブロンが100%のパフォーマンスを出せるとしたら、ウォリアーズは苦しくなる。レブロン相手に守れるアンドレ・イグダーラはもういない。ドレイモンド・グリーンはレブロンよりもアンソニー・デイビスを抑えることに集中しなければいけないはずだ。そうなるとレブロンを守れるサイズとディフェンス力を持った選手がいない。

ただ、それと同じぐらいレイカーズのディフェンスはカリーに手を焼くことになるだろう。カリーはチーム成績が振るわないにもかかわらずMVP級のパフォーマンスを見せており、絶好調を通り越してキャリア最高の時を再び迎えている。スティーブ・カーはこの試合を前に「レイカーズはステフを止めるためなら何でもしてくるだろうね。だけど相手の誰がマークしても、ダブルチームなどどんな守り方をしても、ステフはそのすべてを経験してきて、どう対処すればいいか分かっている。その点については全く心配していない」と自信を語る。

今のカリーを止めるのは恐らく不可能だ。スローダウンさせてペースを落とすしかない。かつてのキャバリアーズがNBAファイナルでやっていたように、カリーが誰を守っていてもスイッチを強いて、レブロンやデイビス、デニス・シュルーダーがカリーを狙う。そうやってカリーをディフェンスで疲弊させるのがレイカーズの狙いであり、そうさせないウォリアーズの対策がどこまで効くかがポイントとなる。

基本的な構図は『守』のレイカーズと『攻』のウォリアーズ。ペースの速い打ち合いになればウォリアーズのスモールラインナップが威力を発揮し、レイカーズはその展開に持ち込ませなければデイビスとアンドレ・ドラモンドのサイズが生きてセカンドチャンスポイントで差を付けることができる。

プレーイン・トーナメントの仕組みはプレーオフ進出を懸けた『敗者復活戦』のようなものだが、レイカーズとウォリアーズが、レブロンとカリーが対決するとなれば、1回戦のどのカードよりも注目される。しかも一発勝負だ。『負ければ終わり』の状況ではないものの、ここで勝てばプレーオフに向けて大きな弾みが付く。レベルの高い48分間になることを期待したい。