佐藤卓磨

三河のエース、金丸晃輔を11得点に抑えるも「金丸さんってすごいな」

5月15日、千葉ジェッツはシーホース三河とのチャンピオンシップ、クォーターファイナル第1戦で105-76の快勝を収めた。

この試合で千葉は、ジョシュ・ダンカンが28得点、セバスチャン・サイズが14得点、富樫勇樹が9得点、原修太が8得点を挙げ、ベンチから出場したシャノン・ショーターが20得点、ギャビン・エドワーズは14得点と、4選手が2桁得点を記録して勝利に貢献した。

その中で、先発メンバーである佐藤卓磨の得点は3に留まったが、試合後のメディアの取材リクエストを一番多く集めたのは彼だった。それはディフェンスの貢献度が高かったからだ。立ち上がりから金丸晃輔をマークし、簡単にボールを持たせなかった。一瞬の動きで振り切ろうとする金丸がシュートを狙っても、フットワークの良さと長い腕を生かしてコンテストしてタフショットへと追い込み、三河のエースにリズムをつかませず11得点に抑えた。

試合後に三河のシェーファー・アヴィ幸樹が「一度も自分たちのリズムに持ち込むことができなかった」と語ったように、千葉のディフェンスは三河の爆発力を発揮させなかった。中でも金丸に気持ち良くプレーさせなかった佐藤の守備は、この試合でもっとも目立っていたと言っても過言ではない。

佐藤自身も試合後の会見で「金丸さんはコンテストをしても本当に全部決めてくる選手なので、やるべきことはできたかなと。嫌がらせることや、ちょっとイライラもしていたと思うので、明日はもっとイライラさせたいです」と手応えを語った。

それと同時に「金丸さんってすごいなと思いました」とも続けている。「常にワンアームで付くようにしているんですけど、それでも金丸さんは決めてきます。ただ、それでシュートを決められても落ち込まないですぐに次のプレーへ切り替えないと、金丸さんにはついていられない。明日もその気持ちで頑張ります」

佐藤卓磨

「5人全員がマッチした時は、本当に負ける気がしない」

レギュラーシーズン中の12月にディフェンスについて佐藤に聞いた時に、「リーグでもベストなディフェンダーと言われるように、自分がマークした選手には1点も与えない気持ちでやっている」と答えたことがあった。

実際に佐藤は自身初のチャンピオンシップという大舞台で、リーグトップクラスのシューターを相手に素晴らしいディフェンスを披露した。昨日の試合後、「リーグでもベストなディフェンダーにどれぐらい近づいたか?」と問うと、「僕はチームからシューターの選手に強いと思われていると思います。でも、僕はLJ・ピーク選手だったりペイントアタックが強い選手にも、もっともっとできるなというのがあるので、その部分を今回は証明したいです」と新たな意気込みを語った。

オフに大型補強をして今シーズンに挑んだ千葉は、どの選手も「このメンバーで優勝できなかったら、という危機感がある」と開幕前やシーズン中に語っていたが、今はチームとしても噛み合い、チャンピオンシップの大事な1戦目で快勝を収めた。

佐藤は「5人全員がマッチした時は、本当に負ける気がしない。レギュラーシーズンの最後に9連勝した時は本当にチームの雰囲気も良かったですし、コミュニケーションの質もどんどん上がってきていました」とチームとしての自信と手応えを語る一方で、こう続けた。

「ただ、個が強いからこそ、例えば誰か一人がドライブした時に周りが合わせなかったりとか、5人全員が繋がるようなオフェンスをしないと厳しい。それぞれの強みがあるからこそ、まずは自分が出せるものをチームに与える。スクリーンをかけたり、カッティングしてディフェンスを収縮させることで、それぞれにチャンスが来ると思います。ボールムーブなどが勝ち上がっていく上ではもっともっと大事になると思うので、徹底していきたいです」

もちろん、三河も第1戦での課題を修正して今日の第2戦に臨むはずだ。金丸に気持ち良くシュートを打たせることは、最優先の課題とも言える。その対策に佐藤がどんなプレーで応えるのか。こういったチャンピオンシップらしい攻防も楽しみな第2戦は、今日15時5分ティップオフとなる。