八村塁

ドンチッチが異次元のトリプル・ダブル

マーベリックスのホームに乗り込んだウィザーズだったが、逆転を狙ったブラッドリー・ビールの3ポイントシュートが外れ、124-125の接戦を落とした。

序盤はルカ・ドンチッチの支配力に圧倒された。ドンチッチは次々と味方のイージーシュートを演出し、自らも緩急自在のドライブから得点を重ねる。トランジションを繰り出し、アリウープもお膳立てするなど、第1クォーターだけで13得点6アシストの大暴れだった。

一方のウィザーズはビールが徹底したダブルチームに苦しみ、フリースローで得点するのが精一杯。ディフェンスも崩壊したことでいきなり2桁のビハインドを背負うと、第2クォーター序盤には18点にまで点差が広がった。それでも、この日42得点を挙げたラッセル・ウェストブルックが個で打開し、点差を縮めていく。ウェストブルックはフィジカルなドライブにプルアップでスコアし、3ポイントシュートも高確率で沈めた。そして、残り5分41秒には八村塁がミドルシュートを沈め、10点差にまで詰め寄った。

しかしその直後、八村は早くも個人3つ目のファウルをコールされ、ベンチに退くことになった。ここで一旦良い流れが途切れたが、スコアラーが厳しいマークをかいくぐり、連続得点を挙げて点差を1桁に戻して前半を終えた。

ファウルトラブルの八村を後半の頭から使い勝負に出たウィザーズはウェストブルックが好調を維持し、八村も確実にミドルシュートを沈めていく。そして残り4分44秒、八村がファウルを受けながらリバースレイアップをねじ込んで同点に追いつくと、セカンドユニットの活躍もあり、32-19のビッグクォーターを作って8点をリードした。

最終クォーターに入り、ドンチッチを起点としたオフェンスを止められず、ティム・ハーダウェイJr.の3ポイントシュートを浴び、開始5分で同点に追いつかれた。その後、終盤までリードチェンジを繰り返し、残り26秒にビールがフロースローを沈めて2点をリードした。

しかし、マブスはドンチッチがディフェンスを引きつけ、コーナーで待つドリアン・フィニー・スミスにパスを送る。八村が懸命に手を伸ばすが、スミスの3ポイントシュートがリングを通過し、土壇場で逆転を許した。ウィザーズはラストショットをビールに託したが、トップから放った3ポイントシュートが外れて、そのままタイムアップを迎えた。

ウィザーズはウェストブルックが42得点、ビールが29得点を記録。八村は1本の3ポイントシュート成功を含む、11本中7本のフィールドゴールを成功させ18得点を記録した。ファウルトラブルに陥ったが、その後はファウルを抑え、最終クォーター終盤には逆転の3ポイントシュートを成功させるなど、活躍が目立った。

マブスはドンチッチが31得点12リバウンド20アシストという異次元のトリプル・ダブルを達成。クリスタプス・ポルジンギスを欠く中でチームを牽引し、あらためてドンチッチが中心のチームであることを見せつけた。

9位ペイサーズがサンダーに快勝したため、ゲーム差が1.5に開いたが、次戦はそのペイサーズとの直接対決となるため、必勝が求められる。