ヤニス・アデトクンボ

アデトクンボは堅守を誇る「相手をどう止めるかの勝負だった」

バックスがクリッパーズと対戦。96-100と4点ビハインドでラスト3分を迎えたが、ここから相手に得点を許さず、ヤニス・アデトクンボが連続7得点とエースの働きを見せ、最終スコア105-100の見事な逆転勝利を挙げた。アデトクンボはゲームハイの36得点をマーク。他にも14リバウンド5アシスト1スティール4ブロックと、攻守に強烈な存在感を見せた。

クリッパーズにとってはショックな負け方だ。第4クォーター残り3分から、ハイローのパスを通されてアデトクンボにバスケット・カウントを許し、スローインからのパスをゴール下のアデトクンボに簡単に入れられフリースローを献上。この間、ポール・ジョージはドライブからのフローターを止められ、カワイ・レナードがステップバックからの、またジョージがスクリーンを使っての3ポイントシュートを放つも決められない。

バックスはアデトクンボの個人能力に頼りきりだったわけではない。残り24秒からの攻めは、5人全員が連動してゴール下に一度ボールを入れてから外に展開。最初はカワイとパトリック・ベバリーが付いていたアデトクンボのマークをこのボールムーブで引きはがし、フリーになったアデトクンボが豪快なスラムダンクを叩き付けて勝利を決定付けた。

ポール・ジョージは勝負どころで得点が止まったことを「慎重に行こうと意識した結果、ペースが落ちてしまった。ゆっくりと持ち上がって、クロックが12秒か13秒になってから攻め始めた。振り返ればもっとボールプッシュすべきだったと思う」と悔やむ。

一方のバックスは最後まで縦に走る積極性を貫いたことで攻守に主導権を握った。ドリュー・ホリデーは「すごく良い感覚でプレーできた。アドレナリンが出て、全開でプレーできた感覚だ」と語る。

最後に勝負を決めたのはアデトクンボの豪快なダンクだった。相手のディフェンスが崩れ、ぽっかりと空いたゴール下に飛び込むアデトクンボにボールを託したクリス・ミドルトンは「彼はこの試合において最高のフィニッシャーだし、目の前にあれだけのスペースがあって飛び込むんだから、決めるに決まっているよね。クリッパーズが失点を免れようと思ったら奇跡を願うしかないよ」と、この痛快なシーンを満面に笑みを浮かべて振り返った。

しかし、アデトクンボはオフェンスではなくディフェンスを誇った。「この試合は、相手をどう止めるかの勝負だったと思う。最後の数分にレナードとジョージをどう止めるか。レナードは勢いに乗りそうな気配があったからね。僕らは集中し、できる限りのタフショットを彼らに強いたんだ」

アデトクンボは続ける。「彼らは勝つために得点を狙い、僕らは勝つためにそれを止めようとする。世界最高のプレーヤーと勝敗を争うギリギリのところで対峙し、プライドを持って止めにいくのは最高に楽しいよ」

バックスはこれで21勝13敗。東カンファレンス首位とのゲーム差を1とした。クリッパーズ相手にこの勝ち方ができたのは、今後の大きな弾みになりそうだ。