カイル・コリンズワース

宇都宮はシュートタッチが絶不調、三河の支配力に屈する

B1の勝率トップを走る宇都宮ブレックス、その本拠地であるブレックスアリーナにシーホース三河が乗り込んだ第1戦。ディフェンス合戦を制し、宇都宮の得意とするリバウンドとセカンドチャンスポイントでも互角に渡り合った三河が完勝を収めた。

第1クォーター、攻守に形を作っていたのは宇都宮だったが、金丸晃輔がタフショットに見えるシュート2本をねじ込み、ダバンテ・ガードナーもゴール下で強さを発揮して9得点と宇都宮の堅守をこじ開けた三河が21-16と上回る。宇都宮はシュートタッチが不調で、試合開始から第2クォーター途中まで3ポイントシュートが9本連続で決まらず、我慢の展開を強いられた。

渡邉裕規がチーム10本目の3ポイントシュートを放ったところでファウルを受けて、フリースロー3本を成功させる。渡邉はその直後にチーム最初の3ポイントシュートを決めて6連続得点。ただ、ここは三河が熊谷航を投入。この試合3分しかプレータイムのなかった熊谷だが、宇都宮が苦しい展開を打開しようとするタイミングで渡邉に激しいプレッシャーを掛けて沈黙させている。その後は田臥勇太がスティールから速攻に持ち込んでLJ・ピークのバスケット・カウントをアシストするも、直後にシェーン・ウィティングトンのスティールから長野誠史の速攻をお返し。宇都宮がリズムをつかみそうなタイミングで攻守のエナジーを上げた三河が主導権を握り続けた。

後半にも宇都宮は速い攻めからジェフ・ギブスとピークによるゴール下の合わせ3連発、そして遠藤祐亮の3ポイントシュートで9-0のランと猛追を見せるが、三河はここでも崩れない。2ポゼッション以上のリードをキープして試合を進めていった。

58-74と16点ビハインドの第4クォーター残り6分10秒、宇都宮はベンチで休ませていたスタートの5人をコートに戻して勝負に出る。三河はここで司令塔のカイル・コリンズワースがファウルトラブルで起用できなかったが、ベテランの柏木真介が2桁リードの状況で試合のペースと残り時間をコントロール。柏木は高い位置で強烈なプレッシャーを掛けられるも、これをかいくぐって時間を使った上でゴール下のイージーシュートに繋げるなど、終盤をきっちり引き締めた。

結果、最後まで主導権を握り続けた三河が85-67で勝利。18得点を挙げた長野誠史を始め、シェーン・ウィティングトン、高橋耕陽や柏木などベンチから出た選手が活躍することで、40分間ずっと攻守のレベルを落とさなかった。中でもベンチポイントで42-21と差を付けたことが最大の勝因だ。ガードナーは32分半プレーしたが、金丸の出場は20分だけと明日に向けて余力を残したのも大きい。西地区首位の琉球ゴールデンキングスを追う三河にとって、B1全体の勝率トップである宇都宮に連勝できれば、今後の戦いに大きな弾みとなる。

逆に宇都宮にとっては首位陥落の危機。しかし、フィールドゴール成功率36.2%、3ポイントシュートは35本放って成功わずか8と、とにかくシュートが決まらなかったものの、攻守にタフに戦う宇都宮らしいスタイルを出すことはできていた。明日、シュートタッチが戻ればまた違った展開に持ち込めるはずだ。