レイカーズ

「レギュラーシーズンでの順位が、これまでのように重要だとは思っていない」

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けているNBAだが、全30チームが無観客での試合開催を続けているわけではない。本拠地が置かれている各州の感染状況に応じて、限られた人数ではあるが有観客での試合を再開しているチームもある。

アメリカ国内でのワクチン接種は進んでいるものの、ジョー・バイデン大統領は今年中を目途に事態の正常化を目指す考えを示したばかりで、2020-21シーズン中にアリーナが満員になる可能性は極めて低い。つまり、昨年の夏にオーランドで開催された『バブル』シーズンと同様、今シーズンのプレーオフでもホームコートアドバンテージは存在しないと考えていいだろう。

そのため、現在22勝9敗で西カンファレンス3位につけているレイカーズのカイル・クーズマとケンテイビアス・コールドウェル・ポープは、レギュラーシーズンでの順位をあまり気にしていない。

クーズマは「レギュラーシーズンでの順位が、これまでのように重要だとは思っていない」とコメントしている。「ホームコートアドバンテージはないに等しい。いずれにしても、NBAファイナルに勝ち上がるにはジャズ(西首位)やクリッパーズ(同2位)といった上位チームとは対戦するんだ。ブロン(レブロン・ジェームズ)がキャバリアーズでプレーした最後のシーズンを振り返ってみても、彼らは東の4位だったのにファイナルに勝ち進んだ。だから順位は関係ない」

コールドウェル・ポープは、目の前の試合に勝つことは重要としつつ、クーズマと同様に順位にはさほど神経質になっていない。「自分たちはディフェンディング王者で、西の1位に立ちたいという気持ちはある。それがチームのモチベーションにもなっているからね。でも、僕たちの目標は優勝することだ。レギュラーシーズンが何位だろうと関係ない。プレーオフに勝ち進んで、ポストシーズンで戦って、タイトルを守る準備を整えたい」

アンソニー・デイビスがアキレス腱の負傷により今後1カ月は欠場する可能性が高く、レイカーズはシーズン後半戦に浮き沈みを経験するかもしれない。ましてや、今シーズンは新型コロナウイルスの安全プロトコルにより、止むを得ず一定期間欠場しなければいけないケースも増えているため、どのチームも万全の状態でレギュラーシーズンを送れているとは言い難い。

レイカーズのようにプレーオフ進出が固いチームならば、5月下旬から開幕するプレーオフに照準を合わせる方が賢明かもしれない。クーズマが言うように、順位にかかわらず、ファイナルに勝ち上がるためには上位チームとの対戦は避けられないため、その時に向けた準備を整える方が重要という考え方は合理的だ。それに、昨シーズンのファイナリストであるヒートとレイカーズは、他の28チームよりオフが短かったため、無理をすればケガのリスクが高まる可能性もある。

批判されてしまいがちな物言いだとしても、クーズマとコールドウェル・ポープの主張に同意する選手は少なくないのではないだろうか。