ジェームズ・ハーデン

「強いチームはこうあるべき。最高の例を見せることができた」

前半を終えて21点差。ケビン・デュラントとカイリー・アービングが欠場したネッツを、サンズは完全に上回っていた。ところが、終わってみれば124-128の敗戦。前半はディフェンスが機能していたがジェームズ・ハーデンを止められなくなり、クリス・ポールとデビン・ブッカーが牽引するオフェンスも第4クォーターのラスト3分半という勝負どころで無得点。ここで猛烈なランを浴び、残り31秒にハーデンに3ポイントシュートを決められ、この試合で初めてネッツにリードを許すと、そのまま敗れた。

ジェイ・クラウダーは「厳しくなった時に流れをつかみに行く激しさを出せなかった。苦しい局面に立ち向かおうとすることができなかった」と振り返る。指揮官のモンティ・ウィリアムズは「ラスト3分半ではなく、74失点を喫した後半はずっと問題を抱えていた。ディフェンスがオフェンスにも悪影響を与え、ボールが停滞してしまった」と語る。

一方のネッツにとっては、これほど士気の高まる勝ち方もない。ジェームズ・ハーデンは38得点11アシストでオフェンスを牽引。ネッツに来てからはゲームコントロールに重きを置いていたが、デュラントとカイリー不在のこの日はアシストだけでなくシュートも思う存分に狙っていった。得点の38、3ポイントシュートの試投数11はいずれもネッツに来て最多の数字だ。

ハーデンは「1人か2人が倒れても、次の選手がすぐに出てくる。強いチームはこうあるべきで、今夜はその最高の例を見せることができた」と勝利を誇った。ここで彼が言う『次の選手』はビッグ3の一角である自分のことではない。ジョー・ハリスは22得点、タイラー・ジョンソンは17得点。全員のハードワークがあったからこその勝利だ。ハーデンは続ける。「前半を終えて20点以上負けていたけど、誰もあきらめなかった。点差に関係なく正しいプレーを追い求め、最後まで戦い続ける気持ちがあった」

これでネッツは連勝を4に伸ばしている。次はレイカーズ戦で、『NBAファイナルの前哨戦』として注目が集まるのは必至だ。だが、レイカーズとの対戦について問われたハーデンは「全く意識していない」と素っ気なく語る。

「今はまだ自分たちのバスケットがどんなものか、そのベースを作っているところだ。(4連勝の始まりとなった)ペイサーズ戦のあたりから、僕らの役割ははっきりしてきて、個人の良いプレーがチームとしても噛み合っている手応えを感じている。だから、どこと対戦するかは気にせず、その手応えをもっと追求したい。今日がそうだったようにね」