馬場雄大

4ファウルの状況でエースストッパーを任される

オーストラリアのNBL、メルボルン・ユナイテッドの馬場雄大がパース・ワイルドキャッツ戦でシーズンハイのパフォーマンスを見せた。

開始5分、4点ビハインドの場面で出番が訪れると、ディフェンスリバウンド奪取からボールをプッシュし、アウトナンバーを作って味方の3ポイントシュートを演出。直後のディフェンスでは、軽快なフットワークを生かしてコースを防ぎ、相手のトラベリングを誘発した。さらに、前線へ素早く走り出すと、トップスピードでボールを受けた馬場は巧みなステップで相手をかわし、逆転となる速攻を成功させ、相手はたまらずタイムアウトを取った。

馬場の勢いは止まらず、第2クォーターにはインサイドアウトから3ポイントシュートを2本連続で成功させてチームのリードを拡大した。しかし、馬場がベンチにいる間に、NBAでのプレー経験を持つスコアラーのブライス・コットンのアタックを止められずチームは逆転を許してしまう。

後半開始3分、7点ビハインドの場面でコートに送り出された馬場はコットンのマークを任される。シュート力とスピードを併せ持ち、緩急自在のドライブを止めるのは至難の業。馬場もバスケット・カウントを誘発され、アンクルブレイクされるなど苦労した。それでも、ディナイで自由にプレーさせず、抜群のフットワークで最低限の失点に留めた。

第3クォーター残り5秒にリバウンド争いから個人4つ目のファウルをコールされた馬場だが、コットンを止められるのは馬場しかおらず、最終クォーターもそのままコートに出続けた。

4ファウルと後がない状況だったが、馬場の集中力は極限まで研ぎ澄まされていた。残り5分、コットンのドライブに食らいつき、後ろからレイアップをブロックするビッグプレーが飛び出す。さらにスクリーンから相手センターとのマッチアップを作られるも、跳躍力を生かしパスカットに成功する。さらにこれで得たポゼッションで、ターンアラウンドレイアップを沈める。馬場の一連の活躍もあり、メルボルンは10点をリードした。

その後、コットンのクラッチプレーを抑えられず3点差に迫られて迎えた残り53秒、馬場はポンプフェイクに引っかかりファウルアウトとなってしまう。しかし、観客はこの日の馬場の活躍を理解しており、スタンディングオベーションで馬場を労った。そして、メルボルンは最後まで集中力を切らさず、このリードを守り切り、75-71で勝利。開幕から続く連勝を5に伸ばした。

攻守で素晴らしいプレーを見せた馬場は14得点3リバウンド2アシスト2スティール2ブロックを記録。この試合のMVPに選出され「タフな試合だったけど、みんなが一つになって勝てたからうれしい。ディフェンスは僕の強みの一つ」と語り、笑顔を見せた。