富樫勇樹

内容には課題も「勝てたことが良かった」

千葉ジェッツは2月3日、敵地での川崎ブレイブサンダース戦で24ものターンオーバーを記録しながら、40分間を通して泥臭いディフェンスを集中して行うことで77-67と競り勝った。ここ最近はなかなかパフォーマンスが上がらずに苦しんでいた千葉にとっては2021年に入って初の連勝であり、価値ある1勝となった。

この試合、エースの富樫勇樹はフィールドゴール10本中3本成功で9得点に終わったが、8アシストで攻撃の起点としての役割を果たした。「自分たちのしたいバスケットボールとは程遠いものだったと思いますが、久しぶりに川崎さんに勝てたことは良かったです。良い時、悪い時はありますが、こうやって勝ちを拾っていけるチームになっていきたいと思います」

今シーズンだけでなく過去2シーズンにレギュラーシーズン連敗と相性の悪かった川崎相手に勝てた意義を富樫はこう語る。「今シーズン天皇杯予選、ホームで負けた試合を含め、川崎さんにはここ数年レギュラーシーズンで勝っている記憶がほぼないです。チームとしてもう負けられない。綺麗な試合ではなかったですが、それでも勝てたことが良かったです」

前の試合から千葉はシャノン・ショーター、ギャビン・エドワーズがベンチスタートとなり、ジョシュ・ダンカンが先発となる変更を行っている。「ショーター選手がスタートでない分、この2試合において特に最初は自分の中ではシュートやペネイトレイトをしっかりしていかなければいけないと意識していました」

こう語った富樫は、実際に第1クォーターで6得点2アシストとオフェンスを牽引した。そして、この試合に高確率でシュートを決め17得点6アシストの活躍を見せたショーターについて「途中から出てきてくれる心強さはあります。今後、どういう起用法になるか分からないですが、すごく良かったと思います」と称えた。

1月23日、24日と千葉は宇都宮ブレックスとのリーグ最高勝率対決に連敗を喫したが、今回の勝利で宇都宮とのゲーム差は0.5と、引き続き地区首位を射程圏内にとらえている。もちろん千葉は、第1シードでのホームコートアドバテンテージ獲得でチャンピオンシップ出場を目指している。

「しっくり来ているわけではないですが、まだシーズンは半分くらい残っており、オフェンスやリズムの部分は徐々につかめるかと思います。ただ、それでもリズムが良くなく、シュートが入らない試合でも勝っていかなければいけないと思います」

本調子ではないが、それでも我慢強く戦うことで川崎との上位対決を制したのは、千葉にとって状態を好転させる大きなきっかけとなるのか。今週末の試合内容がより興味深くなっている。