渡邊雄太

ニック・ナース「本当に素晴らしい活躍だった」

第1クォーター終盤に突き放されてから2桁のビハインドを背負い続ける、ラプターズにとっては敗色濃厚の展開。キングスとの一戦は最終的に124-126で敗れたものの、終盤の巻き返しに渡邊雄太の力は欠かせなかった。第3クォーター終盤に投入されたセカンドユニットの選手は、普通なら第4クォーター開始数分までの繋ぎが仕事。だが、渡邊はこの時間に攻守にハッスルしてチームに勢いを与えたことで、最後までコートに立ち続けた。

ヘッドコーチのニック・ナースは「ディフェンスを機能させる方法を見いだしたこと」と、終盤に追い上げられた要因を語る。そこに渡邊の名前も出てきた。「雄太は素晴らしかった。ディフェンス、リバウンドでも戦っていたね。キックアウトからのシュートも成功させたし、終盤にはショットクロック寸前のところをドライブからタフなショットも決めた。本当に素晴らしい活躍だった」

チームリーダーのカイル・ラウリーも、渡邊を「エネルギー旺盛で、ハードにプレーすることでチームに闘争心をもたらす選手だ。パスを受けるためのポジションが良くて、シュート力もある」と高く評価する。「ゲームプランがしっかり頭に入っているからだろう。それに試合を重ねるにつれて向上しているよ」

開幕前のキャンプ参加から2ウェイ契約を勝ち取り、開幕直前にロスター枠に滑り込んだ渡邊にとって、試合終盤の勝負どころを任されることは大きな成果だ。12得点はキャリアハイの数字だが、これもプレータイムが24分まで伸びたからこそ。逆に言えば20分以上の出場時間がコンスタントに与えられれば、2桁得点は何度でも記録できるだろう。

ただし、今はOG・アヌノビーがふくらはぎの筋肉を痛めて欠場していることが、渡邊のプレータイム獲得を容易にしているだけで、アヌノビーが復帰すれば出場機会は減るはずだ。それでも、アヌノビーが不在の間に自分の実力を証明できたことは大きい。今後もアヌノビー不在の試合となればスタメン起用もあるかもしれない。2ウェイ契約ではなく本契約を結ぶことも現実的になってきた。あるいはラプターズ以上に渡邊を評価し、獲得しようと動き出すチームが現れるかもしれない。

活躍の場を与えられた渡邊は、持てる実力をフルに発揮できるようになった。ディフェンスではすでに信頼をつかんでいる。オフェンス面では、このキングス戦の出場24分間の中でも彼に対するチームメートの信頼が増し、良いポジションを取ればパスが出てくるというポジティブな変化が見られた。この調子でプレーしている限り、渡邊はNBAでもリスペクトされるプレーヤーとして良いキャリアを築いていけそうだ。