比江島慎

「少しずつプレータイムを伸ばして慣れていく必要はある」

1月27日の水曜ナイトゲーム、宇都宮ブレックスは59-83とアルバルク東京に完敗を喫した。リーグ屈指の強豪同士の対戦だが、勝率トップを快走する宇都宮と、故障者続出に苦しんで7ゲーム差と首位から大きく出遅れたA東京では、宇都宮に分があるはずだった。実際、前半はリードを保って試合を進めたものの、後半は展開がガラリと変わる。

きっかけはライアン・ロシターがケガでプレーできなくなったこと。ロシターは前半12分プレーして9得点3リバウンド2アシストを記録していたが、攻守の柱である彼が不在となる影響の大きさは、数字では説明できない。第3クォーター開始から3分半で0-14のランを浴び、その後は立て直したものの押し返すには至らず。A東京の良いところばかりが目立つ内容で、一方的な試合となった。

それでも、宇都宮にとって良いニュースもあった。昨年12月9日の富山グラウジーズ戦で右膝を故障した比江島慎が、1カ月半ぶりにコートに戻って来たのだ。比江島が投入されたのは第2クォーター途中。プレータイムは2分半と『試運転』ではあったが、ディフェンスの名手である田中大貴とのマッチアップでも膝を気にする素振りは全く見せず、短い時間の中で喜多川修平へのパスでアシスト1を記録した。

「久々にバスケがやれる喜びを感じながら、皆さんが温かく拍手していただいたので楽しんでいこうと。後押しがあったおかげで緊張もなかったので、復帰できてホッとしています。思ったより身体の状態も良くて、動ける状態でした。膝のケガへの不安は全くありません」と、復帰戦を終えた比江島は語る。

「試合ができはしたんですけど、まだ試合勘の部分では課題があると思うので、少しずつプレータイムを伸ばして慣れていく必要はあると感じました」と語るように、まだまだ本調子ではない。それでも復帰時期未定のケガから大方の予想より早く復帰できた。そう遠からず、本来の『比江島らしいプレー』を取り戻してくれるはずだ。