デリック・ローズ

ピストンズとの契約は今シーズン終了まで

デリック・ローズには常に移籍の噂がつきまとう。度重なるケガにも屈することなく得点にこだわる姿は人々を魅了し、「ローズがいれば」の思いが移籍の噂を作り出す。

2011年にNBA史上最年少でシーズンMVPを受賞したローズだが、2012年のプレーオフで左膝前十字靭帯を断裂。復帰後も右膝半月板の損傷など、右膝には4度もメスを入れている。自分のプレーを見失ったローズは長く苦労を続けたが、2018-19シーズンのティンバーウルブズで復活を遂げる。爆発的なスピードはもう戻らないが、その片鱗をチラリと見せながら、スキルとIQを駆使して新たなスコアラーとしてのスタイルを作り上げた。

今シーズンはピストンズでの2年目であり、契約最終年でもある。セカンドユニットのオフェンスを引っ張る役割がすっかり板に付き、途中出場でプレータイムが安定しない難しい立場ながら、14.8得点、4.6アシストと結果を残している。

昨シーズン途中にもレイカーズがNBA優勝のための切り札としてトレードで獲得するという噂があった。そして今も、彼に関心を寄せるチームは少なくない。

その一つがクリッパーズで、今シーズンのポイントガードはルー・ウィリアムズの得点が半減し、パトリック・ベバリーはディフェンスマンで、3番手のレジー・ジャクソンは昨シーズン途中の加入からチームにフィットできずにいる。セカンドユニットのオフェンスを引っ張り、勝負どころでカワイ・レナードとポール・ジョージに続く『第3の男』として得点が取れるであろうローズは、是非とも欲しい戦力だ。

もう一つはニックス。RJ・バレットにジュリアス・ランドル、エルフリッド・ペイトンと若い才能が揃うも、経験不足は否めない。今シーズンからチームを率いるのは、ローズを長く指導したトム・シボドーだ。シボドーの下でハードワークのできるチームになりつつあるが、オフェンスを引っ張るリーダーとしてローズを必要としている。

ローズは自分が復活するために必要な環境を整えてくれたピストンズを尊重しているが、ピストンズは4勝13敗と今シーズンも低空飛行を続けており、契約満了を前にローズをトレードして何らかの見返りを得たいはず。チームにはジェレミー・グラントという新たなエースが誕生しており、ローズとしても新たな挑戦へと踏み出す時だろう。クリッパーズを選べば、今と役割を大きく変えることなくNBA優勝のために戦うことができる。ニックスを選べば、絶対的な中心選手としてチーム再建を担うことになる。

ケガだらけで32歳となったローズだが、今もなお求められるのは困難な状況でも真摯にバスケットボールと向き合い、形を変えながらもNBAで価値ある存在であり続けているからだ。『選べる立場』にいるローズは、どんな決断を下すのだろうか。