保岡龍斗

秋田ノーザンハピネッツは1月23日、24日に行われた川崎ブレイブサンダースとのホームゲームを1勝1敗で終えた。保岡龍斗は、敗れた第1戦ではプレータイム11分で無得点と不発に終わったが、勝利した第2戦では19分の出場で13得点4リバウンド6アシスト3スティールと活躍。今シーズンの保岡はフィールドゴール成功率がキャリアワーストの32.8%と低調で、調子が上向かずに苦しんだが、ここに来て復調を感じさせている。そんな保岡に、川崎戦を振り返ってもらった。

「今日は第1戦の分も本当にやり返そうと思って挑みました」

──川崎戦を1勝1敗で終え、秋田としては初めて川崎に勝利しました。まずは、勝利した第2戦の振り返りをお願いします。

第1戦が終わった後に、ヘッドコーチから「40分間チームで戦おう」と言われました。自分たちは誰かが活躍して勝つチームではないので、チーム全員がやるべきことを遂行しないと絶対に勝てない。そこが40分間できたからこの結果になったと思います。

個人的に、第1戦はなかなかシュートを打つチャンスがありませんでした。ただ、ここ最近は練習でもシュートが入っていたので、試合後に家で冷静になった時に自分に対して「もっとできるだろ!」と思って、映像を見ながら第2戦ではどこを攻めていくか確認をしました。また辻(直人)選手とマッチアップできるのはすごく光栄なことで、日本代表選手を相手にどれだけ自分のプレーを出せるかが自分にとってのステップアップになるので、第1戦の分も本当にやり返そうと思って挑みました。

──今シーズンの保岡選手は29試合のすべてに出場していますが、開幕当初はシュートタッチに苦しみました。

昨シーズンよりもボールに触っている回数が少ないことが、リズムをつかめない原因だと思っています。今シーズンはチームオフェンスでセットプレーを増やすというより、勢いでどんどんやっていくスタイルです。例えば今日の(細谷)将司さんのようにシュートがボンボン入っている選手がいれば、その分、自分のシュート回数は減ってきます。その中で、自分の持ち味を出せるようなボールのもらい方はあると思いますが、自分はもともとシューターというタイプではなかったので、古川(孝敏)さんのようにオフボールでスクリーンを使ってシュートを打つというプレーを今まではあまりしてこなくて。

今シーズンはクイックオフェンスを行っている中でコーナーステイがものすごく多い時があることは、自分でもダメだなと正直感じています。ただ、チームメートのシュートが当たっていれば、チームとしてはそれでOKです。逆に自分がどこで持ち味を出せるかとなった時に、先行して走ったりすることが大事だと思ってプレーしています。

保岡龍斗

「もっとできるんじゃないか、という気持ちは正直あります」

──苦しい状況の中でも、12月9日のアルバルク東京戦ではシーズンハイの24得点を記録し、そこから先発を任されています。

アルバルク戦と島根戦はすごく良かったですが、その後のシュートタッチはあまり良くありません。レイアップシュートで得点に絡んでいますけど、3ポイントシュートは全然入っていません。ただ、シュートが入らないのであればディフェンスで頑張るしかないし、走ってレイアップに行ったり、自分が引き付け役となって仲間へアシストをしたり。そういう部分の質にこだわっています。シュートはパーセンテージを見ても良くないですけど、開幕序盤の頃よりは自分のリズムを取り戻しつつあると感じています。

──チームは現在19勝10敗と大きく勝ち越しています。チーム成績と自分の苦しい状況のギャップをどう受け止めていますか?

チームとしてはアルバルクや川崎という強豪にもしっかり勝っているので、それはものすごくうれしいです。でも、やっぱり自分自身でも、もっとできるんじゃないかという気持ちは正直あります。ただ、それは自分個人の意見や考えなので捨てないといけません。今は自分のタイミングでボールをもらえずにシュートが入っていませんが、チームがどうすれば勝てるのかと考えたらディフェンスで頑張らないといけない。ディフェンスに関しては、いろいろな方にも昨シーズンよりも良くなっていると言われるので、そこをこれから武器にしていきたいです。

──オフェンスの不調に目が行きがちですが、ディフェンス面では昨シーズ以上に手応えを得ているということでしょうか?

そうですね。コーチがどう思っているかは分かりませんが、自分の中では悪い部分も修正できていて、良くなっていると思います。まだまだやられる場面もありますが、昨シーズンよりはディフェンスでチームを助けているシーンもあると思っています。

ただ、シュートが入らない時はものすごくへこみます。チームが負けていると「自分のせいじゃないか」と思うのでなおさらへこみますし、メンタルも強い方ではないので。メンタル的に弱っている時は「抜かれるかも」とか変な考えが出てしまって。今日は誰にも負けないと思ってやっていましたけど、メンタルの弱みをなくすことは自分の課題ですし、それを克服できればチームの順位も上げていけると思うので、自分自身の波を作らないようにしたいです。

保岡龍斗

「コーチは自分を信じてくれているからスタートで使ってくれている」

──昨シーズン終了後に取材をした時に「自分のことよりもチームの勝利を考えるようになったら、スタッツもチームの勝ち星も増えた」と語っていました。ただ、自分の調子がなかなか上がらないと、自分のことで頭がいっぱいになりそうですが、保岡選手は今もその姿勢を貫いているように感じます。

そうですね。今は本当に自分の状態が良くはないので、もっと活躍したい気持ちはもちろんありますが、シュートで貢献できなければ他で貢献するしかありません。チームの目標である日本一になるためには、自分の役割を遂行しないといけませんし、もしそれができていないのであれば、プレータイムは間違いなく減ってくると思います。

第1戦では辻さんに快適にプレーをさせないように「自分からディフェンスでアタックしていけ」と(前田)顕蔵さんに言われていたのに、一発目で簡単に3ポイントシュートを決めさせてしまって、それが辻さんの20得点というスコアにも繋がりました。そこはスタートの自分の責任なので、先発を任されている以上、ディフェンスは昨シーズンよりも求められています。

実は、今日は先発を外れるんじゃないかと思っていたんですが、ヘッドコーチは今日も僕を先発で使ってくれました。コーチは自分を信じてスタートで使ってくれていると思うので、そこは顕蔵さんの期待に応えたいです。

──シーズン後半戦に向けての保岡選手の意気込みを教えてください。

ディフェンスでは相手チームのエースや重要な選手につくことがあるので、そういう選手をどれだけ抑えられるか。そこはチームとしての課題でもありますが、おそらくマッチアップするのは自分なので、川崎戦の第1戦みたいに快適にプレーさせないように自分が守らなければいけません。

ただ、もちろんオフェンスの部分も求められているので、シュートの精度を上げるなり、アシストの質を良くしていかないと、これからは東地区との対戦も増えるので、秋田がどれだけ上位に食い込めるかは自分のオフェンス力とディフェンス力がキーになってくると思っています。自分が0点ではチームの点数は足りないので、コンスタントに点数を取っていく。その中で相手チームのエース級の選手を抑えられれば、自分たちも必ずチャンピオンシップに出られると思うので、自分の役割を全うしたいです。

──では、最後に明日のレバンガ北海道戦への意気込みをお願いします。

10月の試合ではジョーダン・テイラー選手に気持ち良くドライブからキックアウトをされて、他の選手にノーマークで3ポイントシュートを打たせてしまいボロ負けしました。テイラー選手を守る部分は自分が鍵になると思いますが、今日みたいなディフェンスをチーム全員でやれば必ず勝てると思っているので、出だしから相手を圧倒するようなディフェンスをやっていきたいです。