ジェームズ・ハーデン

「ロケッツとヒューストンの街には、愛と尊敬以外の何もないよ」

4チーム間の超大型トレードが成立したことでロケッツからネッツへと移ったジェームズ・ハーデンが、ブルックリンで初の記者会見に応じた。

「8年間在籍したロケッツを離れて、信じられない才能を持った選手、スタッフ、フロントオフィスと一緒にフレッシュなスタートを切ることができる。僕にとってこれはNBA優勝を勝ち取るための挑戦なんだ」とハーデンは言う。

ロケッツとの別れは決して美しいものではなかった。ハーデンはチームへの合流が遅れ、新型コロナウイルスの感染予防策を取らずに遊んでいたことで批判を浴び、ロケッツでの最後の試合の後にはチームに競争力がないと断言した。

「僕は長くロケッツにいて、良いことも悪いこともすべて経験してきた。チームがタイトル争いをするには十分でないと発言したけど、誰かに無礼なことを言うつもりはなかった。若い頃はプロ選手として稼いで家族を養うことを第一に考えていたけど、キャリアのこの段階においては、このリーグでまだ達成していないことを追い求めたい。そのチャンスを得るためにネッツに来た。揉めてしまったことは残念だった。僕はそういう騒ぎで注目されたいタイプじゃないからね。確かに物事はスムーズに進まなかったけど、お互いにとって良い結果になったと思う。ロケッツとヒューストンの街には、愛と尊敬以外の何もないよ」

ハーデンは「良い選手、良いチームメート、良いリーダーでありたいし、多くの試合に勝つためにできることなら何でもやろうとしている」と新天地での抱負を語る。ただ、カイリー・アービングとケビン・デュラントとのビッグ3が出来上がったにもかかわらず、周囲はチームとして機能するかを懐疑的に見ている。『NEW YORK POST』は「ボールは一つしかないのに、この3人が機能するのか」というストレートな質問を彼にぶつけた。

ハーデンの答えは「大事なのはケミストリーであり、自己犠牲を厭わないこと」だ。

「僕らはみんなエリートプレーヤーで、優れたパサーでもある。誰がボールを持ってプレーを組み立てていくかは試合展開によって変わってくる。どうなるか予測できないけど、カイリーが10回連続で得点するかもしれないし、KD(デュラント)がそうするかもしれない。彼らにはその力があるし、僕はそれでいい。僕は勝利を求めているんだから、ただ正しい方法でバスケットボールをやればいいんだ」

「彼らとはまだ話してないけど、心配はしていない。フロアのどこにポジションを取るかはコーチが考えてくれるし、お互いにサポートし合うことで機能させられると思う。僕はこれまでも自分の得点を意識するのではなく、チームメートがやりやすいようにプレーすることを心掛けてきた。大事なのはアンセルフィッシュであること。そうすれば試合を重ねるにつれて良くなっていく」

「それは僕ら3人だけじゃない。僕は自分がプレーメークの能力も高い選手だと思っている。世界屈指の得点力を持つ選手が2人いるんだから、必要とされれば得点も狙うけど、プレーメークがより重要になってくるはずだ。もちろん、シューターもビッグマンも含めてみんなの能力を生かし、チームとして最大限の力を発揮したい。僕はこれまでも自分の得点より、チームメートがやりやすいようプレーすることを心掛けてきたつもりだ。それと変わらないよ」

チーム合流が遅れて太った身体で開幕を迎えたことも批判の種となったが、現在のコンディションを問われたハーデンはニヤリと笑いながらこう答えている。「グレートだ」