クリスチャン・ウッド

「このリーグは、たった一人がトレードされてチームが機能する場所じゃない」

今週のロケッツはジェームズ・ハーデン問題に揺れた。結果的にネッツへのトレードが成立したが、決して後味の良いものではなかった。

現地1月12日に行われたレイカーズ戦を100-117で落とした後の会見で、ハーデンは「正直なところ、僕たちはディフェンディングチャンピオンだけでなく、他のエリートチームにさえ近づけていない。ウチはチームケミストリーやタレントを見ても十分ではない」と、ロケッツに三下り半を突きつけた。

この発言による空中分裂を回避するため、ロケッツはハーデンの放出を決断。ネッツ、ペイサーズ、キャバリアーズとの4チーム間トレードという形で放出し、その見返りとしてビクター・オラディポ、ダンテ・エクサム、ロディオンズ・クールッツ、そしてネッツが持っていた1巡目指名権3つを含む大量のドラフト指名権を得ることに成功した。

トレード成立後の現地1月14日、ロケッツは敵地でスパーズと対戦し、109-105で勝利。ジョン・ウォールとエリック・ゴードンがケガにより欠場したものの、今シーズン初のロードゲームで勝利を収めた。この試合で27得点15リバウンド3ブロックの活躍だったクリスチャン・ウッドは、会見でトレード問題について「チームの絆が強くなったと思うから、災い転じて福となすかな」と答えた。

「みんなが一丸となってプレーしたし、ルーキーのジャイショーン(タイト)も先発で10アシストも記録した。素晴らしかったよ。みんなが同じようにやらないといけない」

ウッドは、プレシーズン時期から噂されていたハーデンの去就問題がチームに与えていた影響についても聞かれ、こう答えた。「ハーデンの退団でホッとしたような感覚はないし、チームの全員がレベルアップするために自分自身を見つめ直さないといけない。このリーグは、たった一人がトレードされてチームが機能する場所じゃない。僕たちは全員が一つになってプレーしないといけないんだ」

ハーデンが抜けたロケッツは、新選手を含めてチームケミストリーをイチから作り直さなければいけない。しかし喧騒は去り、これからは目の前の試合にだけ集中できるとも言える。ドラフト外ながらもNBAでプレーする夢をかなえ、Gリーグを経てようやく居場所をつかんだウッドは、新たなロケッツを支えていく。

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