東山

米須「 『one team』になっていってる」

ウインターカップ男子準決勝、東山と洛南による『京都決戦』は米須玲音のゲームメークと得点力、ムトンボ・ジャン・ピエールの高さが光り、序盤から攻守ともに圧倒した東山が87-67で勝利。2016年以来となる決勝へ駒を進めた。

立ち上がりこそ9-9と互角だったが、淺野ケニーと松山雄亮が第1クォーターだけで2ファウルと主力にファウルがかさんだことで、洛南は次第に失速していった。

米須は抜群のゲームコントロールで味方のシュートをお膳立てするだけではなく、自らも3ポイントシュートにドライブと得点面でも躍動。ジャンピはシンプルな1対1を選択するのではなく、ボールの中継役となりフロアバランスを整え、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントを獲得するなどスマートかつ効果的に加点した。さらにディフェンスでは前半で4本のブロックショットを記録するなど、洛南のインサイドアタックを封じる。前日の準々決勝では第1クォーターに個人ファウル3つを犯しファウルトラブルに陥ったが、その轍を踏まないよう落ち着いてプレーしていた。

第2クォーター途中に洛南の粘りに遭い1桁差に戻されるも、米須がすぐさま連続得点を決めて流れを渡さない。そして、西部秀馬が積極的にアタックし、再びリードを広げて45-28で前半を終えた。

後半に入り、洛南はゾーンディフェンスや前線から当たることで反撃のチャンスをうかがう。それでも東山はジャンピが中継役になることでプレスを無効化し、連動したチームオフェンスでゾーンディフェンスを攻略した。

その後も東山は20点以上のリードをキープし続け、第3クォーター中盤にはジャンピと米須をベンチに下げた。それでも、清水拳がスピードを生かしたコーストトゥコーストを成功させるなど、ベンチメンバーも自分の役割をこなしリードを保つ。そして、ベンチ入りした全員が出場を果たす余裕を持って洛南を退けた。

米須が22得点10アシスト、ジャンピが17得点16リバウンドと中心の2人が揃ってダブル・ダブルを達成し、西部がチームハイの26得点を記録。米須は「予選で洛南さんに負けてから一からやり直そうって、何がダメだったかを考えて約2カ月間練習してきました」と、洛南超えが一つの目標だったと語った。

チームバスケの完成度の高さが目立ったが、米須も「チームとして1戦1戦勝ち上がっていく中で『one team』になっていってると自分でも思います」と語った。明日の決勝で、東山のバスケが完成する。