東山

米須「自分も点を取りにいかないと今日は厳しくなると思っていた」

ウインターカップ男子2回戦、東山vs飛龍の一戦はムトンボ・ジャン・ピエールの圧倒的な高さと、米須玲音の巧みなゲームメークが光った東山が89-69で快勝した。

序盤、東山はジャンピにパスを入れる単純な攻めではなく、ジャンピをスクリーナーとして使い、コントロールしつつ自らも得点を重ねた米須の活躍で先行した。

飛龍もうまくハイペースに巻き込んで互角の点の取り合いをしていたが、米須に連続で3ポイントシュートを決められ、ジャンピにオフェンスリバウンドを奪われたことで2桁のビハインドを背負った。それでも、飛龍は我慢強く戦い、3ポイントシュートに当たりが出始めたことで一時19点あったビハインドを9点にまで縮めて前半を終えた。

だが、東山は飛龍のお株を奪うかのように後半にペースアップしていった。この試合で19得点を挙げた西部秀馬や17得点の堀陽稀など、脇を固める選手たちが次々と加点。それに加え、ジャンピが高さを生かしイージーシュートを成功させたことで反撃の機会を与えなかった。

東山

「高さがないのでイージーに運ばれてしまう」

原田裕作コーチが「前からプレッシャーをかけたかったですが、高さがないのでイージーに運ばれてしまう」と語ったように、ジャンピが中継役になるため、持ち味の激しいプレスを仕掛けることができず、流れを呼び込むことができなかった。リングにアタックしても、ジャンピのブロックを気にして精度を欠き、外一辺倒になる悪循環に陥ったことで完敗を喫した。

14得点9リバウンド8アシストとトリプル・ダブル級の活躍でチームを勝利に導いた米須は「初戦でパスばかりしていて得点が伸びず、(大澤徹也)先生からも今日はしっかり点を取りに行けと言われていました。自分も点数を取りにいかないと今日の試合は厳しくなると思っていたので、最初から取りに行きました」と、序盤のアグレッシブなプレーを振り返った。

原田コーチは「米須くんの顔つきとかフロアの中での雰囲気が今までとは別物でした。鍛えられたなというのは感じました」と語り、完敗を認めた。飛龍を引っ張ってきたキャプテンの櫻井椋介は「ウチは後半に勝負を仕掛けるチームだったので、そこで一気にいけなかったのが悔しいです。悔いがないと言うとウソになる」と、何よりも『飛龍らしさ』を見せられなかったことを悔やんだ。