渡邊雄太

「ラプターズのシステムに僕のディフェンス力がフィットする」

ラプターズと2ウェイ契約を結んでNBA3シーズン目の開幕を迎える渡邊雄太がメディア対応に応じた。

グリズリーズとの契約が満了した彼にとっての今オフは、新たな契約を得てプレーする機会をつかみ取れるかどうかが大きな勝負だった。それだけに、トレーニングキャンプでアピールに成功してラプターズのジャージーを勝ち取ったことには意味がある。ただ、彼は「ここからが本当の勝負」と気を引き締めている。

「ラプターズとの契約が正式に決まって今はうれしい気持ちが当然あるんですけど、ただそれ以上に2ウェイの契約ができるというのは今シーズン最後という部分で気も引き締まっています。チャンスを生かせるように今まで以上に頑張っていかなきゃいけない。気の緩みみたいなものは一切ないですし、ここからが本当の勝負だと思っています」

ラプターズはどんなチームか、という問いに渡邊はこう答える。そこには「自分に合っている」という感覚がある。

「ラプターズはすごくディフェンシブなチームで、全員が運動量を増やしてチームディフェンスで守る部分を得意としていて、そこからのトランジションの速い攻撃でどんどん得点を重ねていくというのが強みだと思っています。練習中の雰囲気もすごく良いですし、チームにベテランであるカイル・ラウリーだったり優勝経験がある選手がたくさんいる中で練習中からものすごく声が出ていて、彼らのリーダーシップに引っ張られて僕らもすごく良い練習が毎日できていて、すごく良いチームだと思いました」

「Gリーグ上がりの選手がかなりますし、そういう選手の育成に関してはラプターズがNBAの中では1番じゃないかと僕自身も思っているので、そのチームの中で僕がどれだけ成長できるか、それは自分の努力次第でもあるんですけど、こういう実績のある組織の中で自分を高められるというのはすごく楽しみですし、ラプターズの魅力の一つだと思っています」

「貢献できると思う部分はこのトレーニングキャンプやプレシーズンを通してもそうだったんですけど、ディフェンスの決まりごとがいくつかある中でそれは僕はすごく徹底して練習、試合の中でもできていたと思いますし、それが結果として数字としても残っていたので、そこは完全にラプターズのシステムに僕のディフェンス力がフィットすると思っていますし、そこは自分がこれからもどんどんアピールしていける部分だと思っています。本契約に繋げるためにはもっと身体を強くすることと、もっと3ポイントシュートをシーズン通して高確率で決めること、この2つが特に大事になってくると思います」

渡邊雄太

「日本からどんどん熱い声援を送ってください!」

ラプターズは一昨シーズンの優勝チーム。ファイナルMVPのカワイ・レナードは移籍したが、カイル・ラウリー、パスカル・シアカム、フレッド・バンブリートといった中心選手はそのまま残っている。彼らについて渡邊はこう評価する。

「練習中を含めてコート上でのリーダーシップは群を抜いています。彼らが一言言うと練習がすごく締まりますし、そういう選手たちと毎日同じ練習をできるというのがかなり有意義です。特にパスカルは練習中にマッチアップすることがすごく多く、こんなに良い練習相手というのはいないので、これは今後も続いていくことですし、彼らから学べることというのはたくさんあります。しっかり学んで彼らと同じコートに立って活躍できるように、僕もこれから頑張っていこうと思います」

ラプターズで認められるには、ニック・ナースによる高度な戦術をこなすバスケIQが求められる。戦術の枠に縛られる中で自分を出すのは簡単ではないが、キャンプ中のアピールは「難しくなかった」と渡邊は言う。

「自分のプレースタイルを貫いた結果、この契約を勝ち取ることができました。契約を勝ち取るために何か特別、今までの自分のやってなかったことをしたかと言うと全然そうではなくて、今まで自分がやってきたことを徹底してやった結果、今回2ウェイという契約を勝ち取ることができたので、そこにバランスみたいなものは正直なかったですし、難しさというのはなかったです」

今日からシーズン開幕。渡邊は日本のラプターズファンへのこんなメッセージでインタビューを締めくくった。

「いつもラプターズの応援をありがとうございます。今回、僕がラプターズに入ったということで、今後も僕を含めラプターズの応援をまた皆さんでしていただけたらと思います。日本からどんどん熱い声援を送ってください!」