ジェフ・ティーグ

出会いから15年、2人はともに優勝を目指す

今年のオフにフリーエージェントになり、セルティックスと契約したベテランポイントガードのジェフ・ティーグは、指揮官のブラッド・スティーブンズに大恩がある。

話はティーグの高校時代にまで遡る。当時バトラー大で指揮を執っていたスティーブンズは、選手としてティーグを高く評価し、勧誘を検討し始めた。最終的にティーグはバトラー大ではなくウェイク・フォレスト大に進学したのだが、スティーブンズに出会っていなければ彼の人生は大きく変わっていたかもしれない。

ティーグは『NBC Sports Boston』とのインタビューで「高校時代からブラッドのことは知っていて、彼のおかげで人生が一変した」と語った。ティーグによれば、高校時代はバスケットボール漬けの日々で、学業を疎かにしていた時期があったという。コート上では敵なしの選手でも、学業成績が基準に満たしていなければ大学進学、奨学金の授与も難しい。

スティーブンズはティーグの成績を心配し、彼が高校2年生の時に父親とともにバトラー大に呼んだことがあった。それまで両親に学校の成績表を見せずにいたというティーグだったが、スティーブンズは高校での成績を父親に伝え、「このままでは大学進学は難しい」と現実を伝えたという。

「当時の僕は勉強に熱心ではなかった。それで高校2年の時にブラッドからバトラー大に呼ばれて父と行った。そこで『大学でバスケがしたいのなら、成績を上げろ』と言われたんだ。父は僕の成績表を何年も見ていなかったから、カンカンに怒っていたよ」

心を入れ替えて文武両道に励んだ結果、無事に大学に進学できたティーグは、2009年のドラフト全体19位でホークスから指名され、夢をかなえた。スティーブンズが2013年にセルティックスのヘッドコーチに就任してからというもの、ティーグは対戦するたびに御礼を伝えていたという。

「セルティックスと試合をするたびに、ブラッドには『本当に助かりました。感謝しています』と御礼を言っていた。彼は僕の方を見て、気にするなという感じだったけれどね」

出会いから15年の月日が経過し、2人は世界最高峰のNBAでともに優勝を目指すこととなった。セカンドユニットの要として期待されているティーグは、恩人であるスティーブンズのため、新天地で全力を尽くす。