シーホース三河

第2クォーターを31-11と圧倒

シーホース三河がホームに広島ドラゴンフライズを迎えた水曜ナイトゲーム。序盤に先行を許したもののすぐに立て直した三河は、攻守が噛み合い、第2クォーターを31-11と圧倒。付け入るスキを与えず、87-64で勝利した。

三河の鈴木貴美一が試合後、「出だしは外国育ちの選手が4人出ている中で、高さに圧倒されて自分たちのオフェンスができなかった」と振り返ったように、トーマス・ケネディやグレゴリー・エチェニケ、アイザイア・マーフィーの積極的なアタックに手を焼き、開始4分で5-14と先行された。

それでも、ミスマッチを突いたカイル・コリンズワースが起点となりオフェンスを落ち着かせると、金丸晃輔を強調して追撃した。金丸はスクリーンをうまく使ってズレを作り、2本の3ポイントシュートを含む10得点をこのクォーターで挙げ、18-20と序盤のビハインドを帳消しにした。

第2クォーターに入ると、息を吹き返した三河が完全に主導権を握った。特に目立ったのがセカンドユニットの活躍だ。ファーストプレーでシェーン・ウィティングトンが3ポイントシュートを沈め逆転に成功すると、決して出番の多くない根來新之助も3ポイントシュートを成功させる。高橋耕陽と柏木真介もウィティングトンへ絶妙なアシストを送るなど、チームオフェンスが機能しリードを広げた。

広島は序盤に決まったシュートが入らなくなり、失点もかさんだことでリズムが悪くなる悪循環に陥った。朝山正悟が3ポイントシュートを沈めて、流れを断ち切ろうとするが、ロングリバウンドからの速攻を許すなど、三河の勢いを止めることができなかった。また、ダブルチームを仕掛けるも、連携がうまくいかずにイージーシュートを多く許してしまった。

一方三河は、セカンドユニットが繋いだことにより、休養十分のダバンテ・ガードナーが個で打開。第1クォーターはフル出場も無得点だったが、このクォーターに7得点を固めた。こうして攻守が噛み合った三河は31-11とビッグクォーターを作り出した。

広島はマーフィーの速攻やエチェニケのミドルシュートなどで一時13点差まで点差を縮めたが、ディフェンスのローテーションがうまくいかず、要所で金丸や川村卓也に3ポイントシュートを許してしまう。また、トラベリングやダブルドリブルなど、もったいないターンオーバーで自滅し反撃の糸口を見つけることができなかった。

こうして終始安定したオフェンス力を発揮した三河が、第2クォーターで得たリードを守り、危なげなく勝利した。

シーホース三河

「チームのオフェンスケミストリーが上がってきた」

三河はベンチ入りした12人全員が出場し、11人が得点を記録するバランスの良いオフェンスを披露。鈴木ヘッドコーチは「ボールをシェアしながら、人も動きながら展開しているうちに自分たちのシュートが入ってきて良いリズムになりました」と語った。

また、4得点7リバウンド9アシストとオールラウンドな活躍を見せたコリンズワースに対し、「最後はバテてしまい、後半はミスが多かったけど、選手とのタイミングが合ってきて、チームのオフェンスケミストリーが上がってきた。非常にマッチしてきたと思う」と、チームの潤滑油としての働きを評価した。

一方、敗れた広島の堀田剛司ヘッドコーチは「ゲームを通して良い時間もありました。その時間を40分間継続してやることが今後の課題だと思います。今日ダメだったところを直して、次の名古屋戦に向けて準備したい」と総括した。

三河はこれで今シーズン最長となる6連勝を記録し、西地区首位をキープ。対照的に広島は6連敗で西地区10位と低迷している。リーグワーストの平均87失点という数字が示すように、早急なディフェンスの改善が求められる。