ドック・リバース

「同じミスを繰り返すことになる」

昨シーズンのクリッパーズはカンファレンスセミファイナルでナゲッツに敗れた。3勝1敗からの逆転負け、しかもチームが空中分解してバラバラに戦った末に敗れたために大きな批判を浴びることになった。指揮官ドック・リバースは強烈な個性でチームをまとめていたはずだったが、予期せぬ惨敗を受けて、球団と双方合意の上でチームを離れている。

ポール・ジョージは先週、ポッドキャスト番組に出演した際に、自身の起用法とシリーズ中の修正が効かなかったことに対してリバースを批判していた。

「ドックは僕をレイ・アレンやJJ・レディックのようなスクリーンを多用するシューターとしてプレーさせた。そういうプレーもできるけど、それは僕本来のプレーじゃない。僕は流れの中でプレーする選手だ。ピック&ロールやポストアップなどボールを触る必要がある。昨シーズンは全体的に難しかった」

「3勝1敗となった時は、次に勝てばいいと思っていた。でも負けて3勝2敗になった。まだ次で勝てると思っていたけど結局負けた。この間、チームは何も修正しなかった。違うやり方を一度も試さなないまま敗れたんだ」

リバースはすでにセブンティシクサーズのヘッドコーチに就任し、新たなチーム作りに着手しているが、『The Philadelphia Inquirer』の取材でジョージからの批判について質問されると、ユーモアを交えながら「特にコメントすることはないけど、タロン・ルーは私の隣に座っていたわけだから、修正しなかったことを敗因だと考えれば同じミスを繰り返すことになる」と語った。

リバースとタロン・ルーはプライベートまで含めて親しい盟友の間柄。そのルーがリバース退任を受けてヘッドコーチに昇格したのだから、戦術面で抜本的な改革はないと見るべきだろう。リバースはこう続ける。「我々は試合に負けた。全員がその責任を負うべきだ。もちろん私もそう。改善すべき点は常にある。選手ももっと良いプレーができる。私から言えることは以上だ」

クリッパーズがナゲッツに敗れた原因はリバースにもあることは間違いない。ジョージ以外にもチームの修正能力のなさを批判した者はいるが、ジョージ自身も『バブル』で期待外れに終わった選手の一人だ。リバースは失敗の責任を自身の進退という形で取っている。ジョージの発言は全く不必要だったと言わざるを得ない。