クリス・ポール

ブッカー、エイトンと『ビッグ3』を結成

今オフにサンダーからサンズにトレードされたクリス・ポールが、移籍後初めてメディアの取材に応じた。

サンダーに所属した昨シーズン、ポールは平均17.6得点、6.7アシストを記録し、若い選手が多いチームをリーダーとして引っ張った。サンダーはラッセル・ウェストブルックとポール・ジョージが退団して迎えたシーズンだっただけに、競争が激しい西カンファレンスではプレーオフ争いに加われるのがやっとという評価だったが、ポールが若手の良さを引き出し、西の5位でプレーオフに進出。ロケッツ時代に選手としての評価を落としたポールだったが、昨シーズンはあらためてポイントガードとしての力を証明してみせた。

新天地のサンズでは、オールスターのデビン・ブッカー、2018年のドラフト全体1位指名選手のディアンドレ・エイトンと『ビッグ3』を結成する。大ベテランのポールがチームを引っ張るという見方が強い中、彼はそれをやんわりと否定した。

「みんなは、僕が周りにいろいろと教えるという話ばかりするけれど、僕もチームメートから多くのことを学んでいる。ブッカーに何かを教えるためにいるわけじゃない。僕だって彼のチームメートの一人だ。一緒にプレーするためにここにいる。一緒に戦うというアプローチでやっていく」

サンズは『バブル』でのシーディングゲーム8試合を無敗で終え、2020-21シーズンに飛躍するチームと見られている。そこにリーグトップクラスの司令塔が加わったのだから、11年ぶりのプレーオフ進出も現実味を帯びてくる。

「とても良いチームだと思う。若いチームという意見もあるようだけれど、タイプが異なる選手が揃っているからね」と分析するポールは、成否の鍵を握るブッカーとの連携について、こう続けた。「ブックのことは以前から知っている。彼は才能に恵まれているだけではなくて、とても気持ちが強い選手。対戦した時は、とにかくバトルしたよ」

ポールは、何よりもチームの勝利を優先するタイプのリーダーだ。必要に応じて若い選手に檄を飛ばすこともあるため、今の世代の若手と衝突する可能性もある。だが彼は「それはチームを良くするため」と語る。

「僕のやり方がいつも正しいとは思っていないし、全員に合っているとも思っていない。でも、僕は自分がやらないことは周りにも強制しない。ロケッツ時代に、あるコーチからこんなことを言われた。『最大の障壁は、君と同じようにチームのことを気にかけない選手との戦いだ』とね。でも、どんなことだろうとチームを良くするためにやっていることさ」