クレイ・トンプソン

NBAの覇権奪回を目指すウォリアーズに大きな痛手

ウォリアーズのクレイ・トンプソンが現地18日に行われたワークアウト中に右足のアキレス腱断裂した。『ESPN』によれば練習中にジャンプし、着地した際に痛めたもので、新シーズンは全休となる。

トンプソンは2019年6月14日、2018-19シーズンのNBAファイナルで左膝前十字靭帯を断裂。当初は2019-20シーズン中の復帰を目指していたが、それは果たせず。リハビリには時間を要したが、ケガから1年後の今年6月に制限なしの練習が許可され、来月に迫った2020-21シーズン開幕に万全のコンディションで臨むはずだった。

トンプソンを欠いた昨シーズン、ウォリアーズはNBA再開に低迷。リハビリ期間中にトンプソンは「ウォリアーズの時代が終わったという意見には腹が立つ。周りが間違っていると証明したいし、その気持ちが僕を強くする」と語っていた。

チームにとっても大きな痛手。昨シーズンは15勝50敗と低迷したとしても、それはトンプソンが全休、ステフィン・カリーもケガで長期離脱を余儀なくされた結果であり、主力が揃えば元の強さを取り戻せるという計算があった。だが、その目論見が崩れた以上、チーム編成を再考してトンプソン抜きでも勝てるチームを作らなければならない。

このアクシデントは単に主力選手の長期離脱ではなく、ウォリアーズのアイデンティティを揺るがすもの。ファミリーとしての絆が強いチームだけに、チームメートやコーチングスタッフ、フロントが意気消沈しているであろうことは容易に想像がつく。精神的によほどタフでなければ次の一歩は踏み出せない。だが、乗り越えて前に進まない限り、昨シーズンに続いてチームは低迷するだろうし、その間にもう若くないウォリアーズが誇る主力選手たちの全盛期は浪費されていく。ただでさえ今オフは短い。開幕までのあと1カ月でトンプソンの穴を埋めるのは難しいが、すぐに意識を切り替えて現実的に戦うためのプランを練り直せるかどうかが、ウォリアーズの命運を左右することになりそうだ。