ドウェイン・エバンス

ディフェンスを軸に要所を締める戦いぶり

琉球ゴールデンキングスは、10月24日にホームで島根スサノオマジックと対戦。相手の粘りに苦しめられるもジャック・クーリーのゴール下、今村佳太のアウトサイドを軸に得点を重ね、常に主導権を握る展開で84-71と押し切った。

試合序盤はともにミスが目立ち、開始5分で島根の6-5とロースコアのスタートなる。それでも琉球はジャック・クーリーが得意のオフェンスリバウンドで強みを発揮。味方のフリースロー失敗をブザービーターでクーリーが押し込んだ琉球が17-14と先行する。

第2クォーターに琉球は今村が3ポイントシュート、ゴール下に切れ込んでのフローターと内、外の両方からシュートを沈めこのクォーターだけで10得点とチームを牽引。また、島根が3番で起用するペリン・ビュホードを今村、田代直希と日本人ウイングが身体を張って粘り強くディフェンスして勢いに乗らせないことで、中盤にはリードを14点にまで広げる。ここから島根も昨シーズン琉球に在籍したデモン・ブルックスがドライブ、ポストアップとインサイドで多彩な攻めを見せて残り2分半で5点差に縮めるも、琉球はここでクーリーのインサイドアタックによって流れを断ち切り、10点リードに戻して前半を終える。

第3クォーターに入ると、島根が反撃を開始する。ブルックスが琉球のドウェイン・エバンスとの1対1で、インサイドから着実に加点すると、さらに3ポイントシュートも沈めることで残り6分で3点差にまで迫る。だが、琉球は直後に牧隼利のフローター、そして後半に入ってもシュートタッチ好調な今村の3ポイントシュートなどですぐに盛り返す。さらにエバンスがブルックスをシュートブロックするなど守備の強度をさらに上げることで再びリードを2桁に戻した。

第4クォーター、島根はこの試合で17得点の杉浦佑成、最後になってようやくエンジンがかかってきたビュフォードの活躍で食い下がる。だが、琉球は要所をしっかり締めて、常に2ポゼッション以上のリードを保つことで試合の主導権を渡さず。残り1分38秒には非凡なパスセンスを持つエバンスがドライブからノーマークの並里成にキックアウト。これを並里が落ち着いて決め78-69とし、粘る島根を振り切った。

琉球ゴールデンキングス

新戦力エバンス「試合ごとに自分のやるべきことが違う」

連勝を6に伸ばした琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、試合後の会見で「外国籍が僕たちは(キム・ティリの欠場で)2人の中、相手は身体能力が高く帰化選手を入れると4人います。その中で、トランジジョンなど警戒していたところでやられた部分はありました。オフェンスリバウンドもアジャストしなければいけない」と語るように、より隙のない試合運びをしたいと早くも今日の第2戦に向けて気持ちを引き締める。「もう少しソリッドに戦って、10点、12点リードの場面から15点、18点に離せるようなチームにしていきたいです」

ただ、その中でも日本人選手たちがマッチアップすることになった相手の3番ビュフォードへの対応については「速い選手ですけど、ひるまずにプレッシャーをかけたり、ディナイをしてそこで流れを作ってくれた。すごく良いディフェンスだったと思います」と手応えを得ている。

また、ホームデビュー戦となったエバンスは、水曜日の滋賀レイクスターズ戦で37得点と大暴れだったが、この日は18得点に加えて7アシスト11リバウンド2ブロックと攻守に渡って活躍。「試合ごとに自分のやるべきことが違ってきます。滋賀の時は自分が得点を取れる状況だったので取りに行きました。今日はドライブに相手が寄ってきたので、パスをたくさん出すことができました。明日はまだ違う自分を見せることができるかもしれないです」と状況判断の良さを披露し、チームの勝利に貢献している。

一方、島根の鈴木裕紀ヘッドコーチは「40分間、粘り強く何度もランされそうなところをしっかりディフェンスで食い止めて流れを立ち切れていました。しかし、最後までインサイドを守りきることができなかった。そこを明日修正できるようにやりたいと思います」と振り返る。

また、インサイドでの失点を減らすために不可欠なクーリー対策をこう語る。「選手はファイトしていましたけど、止め切れなかった。クーリー選手とマッチアップしている選手たちだけでなく、周りも彼に対してクラッシュしに行くことが大事だと思います」

クーリーの存在が目立ってはいるが、この試合では島根がオフェンスリバウンドについては18と琉球の10を大きく上回っていた。ともに指揮官が課題として言及したこの部分で、どちらがより修正できるかが、本日の第2戦の明暗を分けるポイントとなる。