ライアン・ロシター

ロシターが16得点9リバウンド、スコットが12得点12リバウンド

優勝候補同士、ともに5勝1敗と開幕から好スタートを切ったアルバルク東京と宇都宮ブレックスが水曜ナイトゲームで激突した。

立ち上がりはA東京。ピック&ロールでの崩しから得点を奪ったかと思えば、田中大貴がピックを使わずライアン・ロシターをドライブで抜き去ってレイアップまで持っていき、さらに安藤誓哉がスティールからワンマン速攻を決めて7-0。またシュートタッチ好調のアレックス・カークがピック&ポップからのミドルシュートと3ポイントシュートを立て続けに決めて12-2と先行した

それでもセカンドユニットでは宇都宮が上。思い切り良くシュートを放ち、ルーズボールに飛び込むLJ・ピークを筆頭にエナジーで上回り、18-15と逆転して第1クォーターを終えた。

第2クォーターでは先発がコートに戻ったA東京が再びリードを奪うも、宇都宮は先発の5人も本来のインテンシティの高さを取り戻して今度は対抗する。ディフェンスが目立つ展開となったが、安藤、田中、カークの3本柱に得点が集中するA東京に対し、全員がバランス良く得点する宇都宮が上回る。それでも目立ったのはロシターで、ダイブに合わせるパスがタイミング良く入るようになると確率良くシュートを決めていった。第1クォーターは無得点だったエースが8得点とオフェンスを引っ張り、宇都宮が39-32とリードを広げて前半を終えた。

一時は10点差を付けられたA東京だが、スコットのリバウンド、特にオフェンスリバウンドをカークが止めに行き、それで足りないと見れば他の選手も飛び込むことでようやく止めると、反撃へと転じる。カークが宇都宮の強力なインサイドをこじ開けたことに加え、相手がドライブで切った後のパスを読んでスティールを連発。そこからの速い攻めでもプレー選択をミスすることなく得点を重ねて逆転まで持っていく。さらにカークを休ませた時間も踏ん張り、57-55とわずかながらリードして最終クォーターを迎えた。

差が広がらない中、テーブス海の3ポイントシュートで宇都宮が2ポゼッション差へとリードを広げるが、宇都宮ファンから拍手が起こるような激しく、なおかつローテーションも完璧に遂行して須田侑太郎にタフショットを強いたはずのシュートのこぼれ球をカークに拾われファウルを献上。その後もゴール下に強引に仕掛けるカークにファウルがかさんだ。

両チームともディフェンスと球際の攻防にどれだけインテンシティを高く保てるかの勝負の中、先にチームファウルが5に達した宇都宮は不利を背負う。それでもスコットがリバウンド争いで引くことなく、逆に相手からファウルを引き出す強さを見せる。

宇都宮は残り3分、4点リードの場面でベンチに下がるロシターがA東京のベンチを煽ってテクニカルファウルをコールされ。これで1点差に詰め寄られる。非常に雰囲気の悪い場面だったが、ここでまたもスコットがオフェンスリバウンドを奪取。素早く展開して比江島がオープンの3ポイントシュートを沈めて再び突き放した。

味方のシュートがこぼれるところをカークがプットバックで押し込めば、ザック・バランスキーのシュートをスコットが叩き落す。両者一歩も譲らない激しさ満点の終盤、残り30秒で比江島が放ったサーカスショットはリングに弾かれるも、このリバウンドをスコットが抑え、そのままシュートを決めて76-72に。スコットにとっては9本目のオフェンスリバウンド、宇都宮にとっては22点目のセカンドチャンスポイントが決定打となり、宇都宮が80-75で激闘を制した。

宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「最終的にターンオーバーが多かったのが気になりますが、それ以外はディフェンスもリバウンドも良かった」とチームを称えるとともに、接戦を制することができた理由を「ディフェンスの集中力とディフェンスリバウンド。ジョシュが(オフェンスリバウンドで)繋いでくれたのは今日の勝因の一つ」と語った。