山﨑一渉

国際試合でどれだけやれるかを見てみたい『逸材』

八村塁の出身高として知られる明成高校は、今年度より学校名を『仙台大学附属明成高校』と改めた。『八村二世』。キャッチーな二つ名で昨年から注目を集めた山﨑一渉は、いよいよ名実ともに『エース』としてのポテンシャルを発揮できる段階まで来ているようだ。

2月に行われた東北新人大会決勝(対能代工業戦)では、52得点(うち3ポイントシュート5本)の大暴れ。試合映像を見てみると、199cmの長身を備えているにもかかわらず、その得点のほとんどがアウトサイドを起点としたものだった。3ポイントラインの外にポジショニングし、ドライブを仕掛け、3ポイントシュートを打つ。その所作には、この世代の大型アウトサイドプレーヤーにありがちな、力みやぎこちなさがほとんど感じられなかった。高校バスケの試合ではもちろん、国際試合でどれだけやれるかを早く見てみたい選手だ。

千葉県出身。ギニア人の父と日本人の母から様々なギフトを授かり、関係者の間で大きな注目を集める存在だった。中学最後の全国大会でベスト16という成績を挙げ、様々な高校から明成を選んだ理由は、「憧れ」と話す八村の存在。同校の佐藤久夫コーチが、八村のドラフト1巡目指名に合わせて開催された記者会見に山﨑を登場させ、「もう一度、八村のような選手を育てたい」と話したという逸話もある。

入学当初は故障で出遅れたが、インターハイではさっそく『スーパールーキー』としての存在感を発揮。ウインターカップでも1回戦から素晴らしいスタッツを残し、3回戦の市立船橋戦では37得点11リバウンドと素晴らしいスタッツを記録している。しかし、初めてのメインコートとなった4回戦の北陸戦は、3ポイントシュート8本中2本成功の11得点、3リバウンドと振るわず。試合後は悔しさからか、激しく涙を流していた。

高校バスケを指導して47年。八村や安藤誓哉(アルバルク東京)を筆頭に、数々の名選手を輩出してきた佐藤久夫コーチにとっても、彼のような大型選手をアウトサイドで起用するのは初めてのことだという。昨年のウインターカップ時、「試行錯誤でやっています」と苦笑交じりに話した名将は、「まだ当たり障りのないプレーばかり。自分なりのシュートを身に着けてほしい」とこれからの課題を話していたが、先述の東北新人決勝ではその片鱗がうかがえた。1年ぶりの全国大会で彼がどのような自分らしさを表現するか、楽しみだ。