ベンドラメ礼生

琉球との練習試合ではスコアリングガードとしての本領発揮

サンロッカーズ渋谷は、シーズン開幕まであと少しと迫る中で沖縄遠征を行い9月20日、21日に琉球ゴールデンキングスと練習試合を行った。2試合ともに終盤までもつれる熱戦の中、20日に逆転勝ちを収め1勝1敗で終えている。

練習試合はあくまで開幕に向けた調整が目的であり、勝敗に意味はない。そうはいっても20日におけるベンドラメ礼生の勝負どころでのプレーは見事だった。SR渋谷の1点リードで迎えた残り約1分半に3ポイントシュートを沈める。さらに2点リードで迎えた約30秒後には1対1から決勝の外角シュート成功と、リーグ屈指のスコアリングガードの本領発揮となる流石の決定力だった。

2日間の戦い終え、ベンドラメは今回の遠征を次のように総括した。「2試合とも出だしで点差をつけられましたが、そこからしっかりカムバックすることができました。それはすごく良いことで、収穫の多い2日間でした。昨シーズンからメンバーも変わっていないので、より質の高いコミュニケーションを取れていると感じました」

ただ、当然のように収穫だけでなく、課題もあったと続ける。「リバウンドに関して、琉球の(ジャック)クーリーを止めきるのは無理だと思いますが、それでもビッグマンが弾いてくれたボールを全員で協力して取らないといけない。また、ディフェンスでプレッシャーをかけて相手を受け身にさせるのが僕たちのスタイルですが、逆に相手のプレッシャーに押されて自分たちが受け身になっている時間帯がありました。そこに関しては、ゲームの出だしから自分たちの流れを作るように修正していきたいです」

1対1での突破だけでなく、味方のスクリーンをうまく使ってのドライブで相手ディフェンスを切り崩す姿も目立った自身の調子については「開幕に向けて良いコンディションを作って行けていると思います。あとは、僕たちは試合中に守備で激しく動き、体力の消耗が激しいので、その流れに慣れていくことが必要です」と語る。

ベンドラメ礼生

「ディフェンス第一であり、オフェンスはあまり気にしていない」

コロナ禍による入国制限により、新しい外国籍選手がまだ合流できていないチームは少なくない。SR渋谷もジェームズ・マカドゥが同様の状況にあり、先日には期限付き移籍契約でムッサ・ダマを獲得したばかり。まだまだ荒削りな面もある24歳のビッグマンだが、ベンドラメは「若くて、すごく動けます。その機動力を生かしてトランディジョンでガード陣のスピードについて来れますし、リバウンドにも絡んでくれます」と好感触を得ている。

昨シーズン、SR渋谷が天皇杯優勝などステップアップを果たした最大の理由は、頻繁な選手交代を行い40分通して前から激しくプレッシャーをかけるディフェンスを確立できたことだ。このチームの要となる部分は不変であり、だからこそ開幕に向けベンドラメが意識するのは個人、チームとしてもディフェンスに尽きる。

「この2日間、中でも今日は特にシュートが入っていない中でディフェンスから立て直したと思います。やはりディフェンス第一であり、オフェンスはあまり気にしていないです。個人としても開幕に向けケガに気をつける。あとはもう一歩、守備で相手の懐に入ったり、前に詰められる瞬間がたくさんあったのでそこを突き詰めていきたいです」

昨シーズンのSR渋谷は開幕節で難敵の千葉ジェッツを相手に連勝し、スタートダッシュに成功した。その再現を果たすために何が必要なのか、エースはしっかりと認識している。