写真=加藤誠夫(JPBA)

5年目を迎えた復興支援活動

日本バスケットボール選手会(JBPA)は6月16日(土)に宮城県仙台市で震災復興支援活動の一環としたチャリティイベントを実施した。今年で5年目を迎えた今回の活動は「JBPAチャリティクリニック&チャリティフェスト2018」と題され、津波で大きな被害を受けた宮城県名取市閖上地区の閖上小中学校でクリニックが開催された。

クリニックでは現役Bリーガーに直接指導を受けられるとあって、子供たちは緊張した様子を見せたという。それでも秋田ノーザンハピネッツから参加した田口成浩は「最初に子供たちと会った時は緊張していて挨拶も元気がなかったんですが、終わった時にはみんな『楽しかったー』と喜んでくれたので良かったです」と充実した表情を浮かべた。

クリニック後は場所を三井アウトレットパーク仙台港に移してのイベント。選手たちは会場に着くや否や、各バスケコートに散らばって子供たちのシューティングに加わった。

バスケ芸人として知られる田村裕、今シーズンに現役を引退した大神雄子も駆けつけて会場を盛り上げた。その後の3ポイントシュートコンテストでは、Bリーグオールスターでの3ポイントシュートコンテストの前年王者である田口と、今年の王者の岡田優介が激突。結果は田口の勝利となった。田口は「もうお遊びなんで、でも勝負事なんで勝ちにこだわります」と満足気。一方の岡田は「あれはノーカウントです」と笑顔でごまかした。

田口「生きることすら当たり前じゃない」

その後は選手と子供たちによる5対5が行われ、サインボールやサイン入りTシャツなど豪華賞品が当たる抽選会でイベントは締めくくられた。それらの合間にも、選手たちはサインや写真撮影の求めにすべて応じるサービス精神を発揮。このイベントのために足を運んだバスケファンだけでなく週末の買い物客も含めてすべての人が笑顔になっていた。

『お祭り男』らしいサービス精神を発揮してイベントを盛り上げた田口はこう語る。「教えるのも好きだし、見ている人たちを喜ばせるのも大好きな性格なので、そういうのは常に出ちゃいますね。僕たち選手が動いてやることに意味があると思います。今回はリーグも協力してくれましたけど、やっぱり選手が被災地に行って子供たち、町がどうなっているのか知るのは大事です。その場にいることによって伝わる思いは全然変わってきます」

「あらためてバスケットをやれることが当たり前じゃないなと。むしろ生きることすら当たり前じゃないと実感したので、これからもっと見てくださっている方に喜んでもらえるようなプレーをするしかないなと思いました」と、田口はこのイベントからも良い刺激を得られた様子。

JBPA初代選手会会長の岡田も感想をこう語った。「本当に子供たちも楽しそうにやってくれているし、選手たちもそれぞれの個性を出してくれて良かったです。こういった活動は1回や2回では復興になりませんが、毎年ずっと続けていくことが必ず大きな力になります。一大イベントとして選手会は引き継いでいってほしいです

復興はまだ終わっていない。そうした誤認をあらためる上でもこうした活動が持つ意味は大きい。選手会主催とあって手作り感のあるイベントで規模も大きくなく、岡田が言うように「1回や2回」ではすぐに風化してしまう。そうならないためにも、活動の継続を願うばかりだ。