ヒート

バトラー「2桁差をつけられても、カムバックするのが好き」

東カンファレンスファイナル、ヒートvsセルティックスの第2戦は第3クォーターにビッグクォーターを作り出し、ゴラン・ドラギッチが終盤に勝負強さを見せたヒートが106-101で勝利した。

前半にリズムをつかんだのはセルティックスだ。ケンバ・ウォーカーが積極的にリングにアタックし、得意のステップバックシュートやドライブから得点を重ねる。ケンバに意識が集まったことで外のマークが甘くなり、ブラッド・ワナメイカーがオープンから連続で3ポイントシュートを沈め点差を2桁に乗せた。さらにスモールラインナップを起用したヒートに対し、エネス・カンターがオフェンスリバウンドからバスケット・カウントを奪うなどインサイドで力を見せ、60-47で前半を終えた。

だが後半に入ると、オフボールの動きが活発になり連動性が増したヒートの時間帯に。ドラギッチがピック&ロールからズレを作り、自ら得点しながらパスをさばいていく。また前半で4本の3ポイントシュートを決めたダンカン・ロビンソンをセルティックスはフェイスガード気味にマークしていたことで、インサイドのスペースが空いた。そこに何度も飛び込んだバム・アデバヨが合わせから得点を量産し、このクォーターだけで15得点を記録した。ペイントに侵入を許しても、ボールに手を出してファンブルさせるなどディフェンスも機能し、ターンオーバーからの得点も伸ばしたヒートが37-17と圧倒し、逆転して最終クォーターを迎えた。

その後、互いにディフェンスの強度が上がり攻めあぐねる中、ジェイレン・ブラウンとジェイソン・テイタムにシュートをねじ込まれ、残り5分を切った場面でヒートは再び逆転を許す。それでもここから、ジミー・バトラーとドラギッチが勝負強さを発揮していく。ここまで周りを生かすことを優先していたバトラーが自ら仕掛け、ドライブから連続で得点を重ねる。さらにバトラーは連続でスティールを記録し、クラウダーの速攻をお膳立てするなど、ディフェンスでも違いを生み逆転に成功した。

そして攻め手がなくなった状況ではドラギッチが個で打開した。ショットクロックが少なくなる中で、ダニエル・タイスとのミスマッチを作り出し、ステップバックシュートを連続で沈め、残り57秒で6点のリードを奪った。ブラウンに連続で3ポイントシュートを許し3点差まで迫られたが、残り7秒にファウルゲームで得たフリースローをバトラーが落ち着いて成功させ、熱戦に終止符を打った。

ヒートはクラッチシュートを連発したドラギッチがゲームハイの25得点を挙げ、先発の5人全員が2桁得点を記録するバランスの良さを見せた。

ヒートは前半に最大で17点のビハインドを背負ったが第3クォーターに逆転し、クラッチタイムでのパフォーマンスで上回って勝利を収めた。終盤にビッグプレーを連発したバトラーは「僕たちは自分たちに厳しくするのが好きだ。2桁差をつけられても、カムバックするのが好きなんだ」と、逆転勝利をよろこんだ。